成田空港から初めての国、フィリピンへ
日本を出発する日。
フィリピン人パートナーである「ソーマ」と一緒にジェットスター機に乗り込む。
搭乗口あたりからフィリピンの人がたくさんいて、もうすでに外国気分だ。いちいち緊張する僕は、この時点でだいぶ緊張していた。
フィリピンまで約5時間。機内で退屈に耐えていると、飛行機の窓からマニラの夜景が見えた!
「おぉ…日本の外にも別の国があったのか!」という、不思議な気持ちになった。
そして、マニラ空港に入る。
しばらく歩くと、入国審査の場所に出た。
フィリピン人であるソーマは「あっち」に、外国人である僕は「こっち」にわかれて進む。
入国審査官に「何日滞在するか」など英語で聞かれる。一人ぼっちでソーマに頼ることができない状況で、かなり緊張しながら「10日間くらいです」と答えた。緊張で口元がピクピクしている。
そして、パスポートにスタンプを押してもらい入国審査が完了。パスポートを見てみると、20日ほどの滞在許可をもらっていることがわかった。とりあえず、ひと安心。
手荷物預かり所で荷物を預かったあと、無料のウォーターサーバーを見つけた。
紙コップではなく、防水の折り紙に水を入れるようになっていて、さっそくカルチャーショック!
ちなみに今の時刻は深夜0時。
ソーマの実家「ヌエバエシハ」は車で4時間ほど離れた場所にあるので、ソーマの親戚である「アポロさん」が車で空港まで迎えにきてくれているということだった。予定よりマニラへの到着が遅れたので、急ぎ足で駐車場まで向かう。
駐車場でパートナーのお父さんと初対面!
そして、駐車場に出ると誰かがこっちに向かって手を振っている。
アポロさんと、ソーマのお父さん「サニーさん」だ!ドキドキしながら「ハロー!」と簡単な挨拶をする。
そのあとはヌエバエシハに向けて、さっそく四人で出発する。
実家までの道中、窓の外を見ていた。
日本とは違う景色に興奮していた。と、同時に心細さと不安も感じていた。車の速度が速く、周りの車もビュンビュン走っている。知らない土地に、知らないお店。ルールやマナー、暗黙の了解、お店のシステムも何もわからない。
このとき、ソーマは一人で日本に来て大変なことをしてきたんだなと、気付いた。
とにかく、カルチャーショックがすごかった。「もし一人で深夜のマニラに着いたら、僕は自分で対処できるんだろうか」と不安な気持ちで窓の外を見ていた。
途中で、ケンタッキーに寄る。
お店の入り口に銃をもった強そうな警備員さんが立っていて、僕らが中に入ろうとするとドアを開けてくれた。お礼の意味で会釈をすると、返してくれた。
嬉しかったし、挨拶の感覚はフィリピンでも同じなんだな、と思った。
お店に入って、何をどうしたらいいのかわからないので、ひたすらソーマの横をついていく。
ソーマが店員さんに、タガログ語(フィリピンの言語の一つ)でペラペラ話しているのを見て圧倒された僕は、「ソーマは日本では日本語がまだあまり話せないけど、フィリピン語はペラペラなんだな」と当たり前のことを思った。
フィリピンのケンタッキーでは、「グレイビーソース」というオリジナルのソースがかけ放題ということだった。肉汁から作られているらしく、不思議な味で美味しかった。
そして、フィリピンではフライドチキンの相棒として、ご飯を丸く固めたものが出てきた。
ケンタッキーをあとにしたあとは、またひたすら夜の道路を走る。
外が明るくなって、家まで近づいたころ、アポロさんが車を路肩にとめて、サニーさんと二人で車を降りた。特に何もないところだったので「なんだろう」と思っていたけど、どうやら立ちションをしにいったようだった。
なるほど。
実家に到着!
そして、明け方5時にソーマの実家に到着した。
玄関から、ソーマのお母さんである「マリパズさん」が出てきてハグをしてくれた。ずっと寝ずに待ってくれていたようだった。そして家に入ると、こんなものが飾られていた!
「Welcome to the Philippines」
そして、その下に僕の名前が書かれていてビックリした。
「おぉ…」と感動している最中に、僕の名前のつづりが間違っていることをソーマが指摘した。マリパズさんはそれを聞いて笑っている。そのあとはダイニングルームに集まって、みんなで軽く話をした。
しばらくして太陽が昇ってきたころ、みんな眠たそうに、それぞれの寝室に向かった。
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