パートナーと出会ったばかりの頃
パートナーと出会ったばかりのころ、僕は愛媛県、母は広島県に離れて暮らしていました。なので、母は僕のパートナーと直接会うことができませんでした。
そしてまだ、パートナーと母がテレビ電話でやりとりもしていない頃に、ある出来事が起きました。
それは、僕が友人と遊んでいたときのことでした。どうやら母はその日の昼ごろ、僕に三回ほど電話をかけていたようでしたが、僕は遊んでいたので気が付きませんでした。
そして晩御飯を友人と食べているときに、母から着信が入っていることに気が付き、電話をかけ直しました。
すると、母はものすごく心配した様子で「電話に出ないから、前に言っていた人(パートナー)に何かされたのかと思って心配で、これから高速バスに乗って、愛媛にいって無事を確かめようと思っていたところだった」といっていました。
「なんでよ!(笑)」「何かされるわけないから、安心して!」と、こっちもビックリしました。
僕も狭い世界で生きてきた人間なので、あまり人のことは言えないのですが、母は外国人と接した経験がないし、テレビや世間話で外国人に対するいろんなイメージを植え付けられているので、こういう行動に出たのだと思いました。
パートナーと母の家に初訪問したときの反応
パートナーと母がはじめて対面する日、パートナーはものすごく緊張していました。
おそらく母も、緊張していたと思います。
この日までに、僕はパートナーの素晴らしさを母に、電話でたびたび伝えていました。それは、パートナーが本当に素晴らしい人だから、母に知ってもらって「この喜びを一緒に抱えてほしい」という焦りに似た感情があったからです。
そういった言葉を伝えているとき、母が「(まだ会っていない)パートナーのことを自分の子供のように思っている」と一度いったことがありました。おそらく母は、かなり無理をして、この事実を自分の世界に取り込もうとしていたんだと思います。
そして実際に会ったとき「ようこそ、ソーマくん」と母が笑顔でパートナーを出迎えました。
ですが、初日の笑顔はその一回だけで、あとは表情が硬く、笑おうとしても笑えていないような真顔をしていて、態度もそっけないように感じました。
そのあと、パートナーと二人で外を散歩したときに「ごめんね、多分母はすごく困惑していて、あんな態度なんだと思う」と僕がいうと、パートナーは「大丈夫、その気持ちはわかるよ。でも、僕にはお母さんが僕のことを愛してくれているように感じる」といっていました。
母と僕をフォローするためにそういったのか、それとも本当にそう感じていたのかはわかりませんでした。
それでも、二日目以降になると、母の表情や笑顔はどんどん自然なものになっていきました。
パートナーは積極的に話しかけていくタイプで、母親の再婚相手(母は再婚相手と二人暮らしをしています)もフィリピンのことについてよくたずねてくれるので、場はどんどん暖まっていきました。
そして母とパートナーと僕の三人で散歩をしているとき、ふと気が付くと、母とパートナーが並んで海を見ていました。
パートナーは日本語が話せないし、母は英語が話せないけど、お互いに何かやりとりをしているようでした。その光景を見て「あぁ、なにか話してる!」と心が温かくなりました。
帰ってきたパートナーに「なにを話したの?」ときくと、「ひみつ」と返ってきました。
最近の反応
最近は問題もなく、母もパートナーもお互い自然に会話をしています(通訳者の僕をはさんで)。
母とパートナーが会うたびにパートナーの日本語力がアップしているので、「ソーマくん、日本語上手になったね!」と母がいい、パートナーが「いえいえ、お母さん、そんなことないです!」とジャパニーズスタイルで返すのが最近の定番です。
いまでは、三人でいても、僕がなにも気を遣わなくてもいいくらい、リラックスした時間が流れています。
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