はじめに
僕は、フィリピン人の同性パートナーとお付き合いをしている34歳の男です。
正直に言って、パートナーとの生活は楽しいことばかりです。でも、それは家の中での話です。家の外に出ると自分でも訳が分からなくなるくらい、緊張したり、周りからの視線が気になったり、怖くなったりします。
それには、原因がいくつか考えられます。
僕たちは元々愛媛県で同棲生活をしていました。ですが、彼が先に関東に引っ越すことになり、僕も二年ほど遅れて今住んでいる関東に引っ越してきました。
34年間住んでいた愛媛で同棲していたときは、いまほど人目を気にしていませんでした。自分の故郷なので、常に安心感があったのだと思います。
「慣れない土地に引っ越してきたことで、周りが怖く感じている」、これが一つ目の理由です。
そして、今回言いたいのは「国際恋愛をすることで、自分のスタイルを変えすぎていないか」ということです。
日本脱出!
僕は、もともと「外国」や「外国人」に接点があったわけではありませんでした。
ですが高校生のころから、「外国」に対して憧れの感情を抱きはじめました。当時NHKでやっていたCOOL JAPANという番組を観ながら解放感を感じていました。なぜ憧れていたかというと、僕は生きづらさを抱えていたからです。
それでも、結局「外国」や「外国人」と接することなく月日は流れてゆきます。ですがある日、ひょんなことから、「外国人」パートナーと付き合うことになりました。
そのとき僕の心にあった感情は「日本脱出!」でした。
日本社会での生活で、ずっと心に溜まっていたストレスや閉塞感の中から、別次元へワープしたような感覚でした。(パートナーの「外国人性」にフォーカスしたこの表現は嫌ですが、当時はそのように感じていました)
捨てる、捨てる、捨てる
そして、僕はパートナーの文化や慣習に、自ら染まりにいきました。
それは今までの日本での嫌な出来事の反動でもありました。髪型やファッション、考え方、いろんなものを変えると同時に捨てていきました。(嫌な出来事の反動だけが原因ではなく、本当に好きで変えたものもたくさんあります)
それ自体は楽しい変化だったのですが、いつの間にか「暗い自分を、明るい自分に変えようとする」など、自分の限界を超えて、過剰に自分を変化させようとしていることに気が付きました。
不自然な自分
これはもう国際恋愛に限った話ではなくなりましたが、「自分にとって、不自然な自分」の状態でいると、どこかでひずみのようなものが生まれてくるんだと思います。
仕事の面接のときのような「不自然な自分」を、日常でもずっと続けるのは不可能ですよね。
仕事の面接ならば、「いまは面接のための態度をとっている」と自覚しているので、疲れはするものの訳が分からなくなったりはしませんが、国際恋愛というプライベートな領域で「自分を変えたい」と無意識に思っている場合は、自覚するのが難しくなります。
そして、「なんだかわからないけど、なにか落ち着かない」という心境にじわじわ追いやられてしまうのではないでしょうか。
堂々と下を向く
僕のパートナーはいつも堂々と歩いていてカッコいいです。
変に力んでいるわけでもなく、自然と堂々としています。そして、僕はそんな彼に似合う人になろうと、無理をして堂々と歩くようにしました。
でも、堂々とするのは苦手なので、結局苦しくなりました。なので、「パートナーはパートナー」「僕は僕」ということで、パートナーと二人で外出しているとき僕は、堂々と下を向いて歩きます。
ただ、ずっと下を向いて歩いていると、今度はそんな自分が嫌になってくるので、基本的に前を向いて歩きながら、でも前を向いて歩くのがしんどくなったときに堂々と下を向くという自分の元々のやり方を大切にするようにしています。
おわりに
いままで、人目が気になる理由を散々考えてきました。
- もともと自分がもっていた「外国人」への偏見が自分に返ってきている
- パートナーが日本に馴染むことを期待しすぎている
- そもそも今住んでいる場所は引っ越して間もないので、心細い
- 自分のスタイルを過剰に変えようとしている
これまで思いついた原因はこの4つです。「引っ越しをして間もない」ということについては、時間が経つのを待つのと、外出をたくさんするしかないですが、この悩みはまだまだ解消していません。
ほかの人はどうしているんだろうかとネットで同じような人の記事を探す日々です。逆に、この記事が誰かの救いになっていたら嬉しいです。
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