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【テアラロア Day9】バーチウッドステーションで言葉の壁が一瞬消えた

もくじ

ベル&ドネックと奇跡の再会

朝起きたときに、身体の疲れを少し感じた。

疲れを抜くために、ハットをでて、新鮮な空気の中で朝食作りと出発の支度をする。

このハットでアメリカから来たジェイと知り合った。ジェイはいつも笑顔で話しかけてくれる。強面だけど、優しい人だ。

ジェイと、お馴染みのベリーの三人で歩き始める。

ニュージーランドに来てから、山の中にいるとき以外は、毎日、牧場の牛や羊を見ている。それだけたくさんいる。

今日も歩いていると、牛がゾロゾロとついてきた。

そして、砂利道を左に折れて、山に入る直前に、後ろから声が聞こえた。

昨日一緒に歩いたベルとドネックだ。

二人は昨日、オタウタウという街のホテルに泊まっていて、そして今日トレイルに戻るためにヒッチハイクをして、ちょうど今ここで降ろしてもらって、僕たちと偶然会った。

そして、車に乗せてくれた人から大量のベーコンをもらっていた(笑)

NZの南島は夏でも寒い

山に入る。

今日はずっと雨で気温も低かった。

最初は大丈夫だったけど、身体が疲れているのか、とても寒く感じ始めて、ダウンとレインジャケットと防水グローブをつけた。

それでも寒くて震えながら歩いた。

ここニュージーランドの南島は、夏でも寒い。今日は雨が降っているせいで、最高気温が16℃、最低気温が12℃だ。

そして晴れていたらものすごく綺麗だっただろう、牧場を歩く。

テアラロアは目標となるポールやオレンジのマーカーがところどころにあるけど、道はほとんど整備されていない。

「こんなところ通るの?」という道を歩いたりする。

牧場にはもちろん糞がたくさん落ちている。

そして急激な下り坂を下っていると、ジェイが滑って背中からこけた。

しかも、ちょうど糞がたくさんあるところに。

気が引き締まる。

言葉の壁が消える瞬間

そして、震えながら今夜の宿に着いた。

服を脱ぐと、Tシャツもダウンジャケットもレインジャケットも全部濡れていた。

濡れた服をいくつか脱いで、早速、中に入る。

中には、水道もあるし、電気ケトルもある。温水シャワーもあるけど、まだ準備ができていないということだったので、電気ケトルでお湯を沸かしまくった。

ザックの中に入っている、紅茶のティーパックをとりだすのがめんどくさいので、白湯を何杯も飲む。

そのあとは、四日ぶりのシャワーを浴びる。温水が身体に染みる。備え付けられてある、終わりかけのボディーソープを思う存分使いながら、身体をきれいにした。

そのあとは、ドネックがベーコンを焼く。ベーコンの焼き方について、アメリカから来たジェイがなにかいっている。

そして、ベーコンが出来上がった。

部屋にベーコンの匂いが充満して、温度も少し高くなる。ドネックが電気をつけて、部屋がオレンジの光に包まれる。

みんなで談笑をする。僕は英語を全部聞き取れるわけじゃないけど、その温かい雰囲気の中にいるのが心地よかった。

そしてなによりベーコンがうまい!

夕食を終えると、みな散り散りになった。

時刻は20時。

外は昼間のように明るいけど、みんなが静かに歩きだしたり、静かに話しだしたりし始めたのを見て、夜が来たのを知る。

英語が満足に話せない僕だけど、みんなと同じように静かに歩いたり話したりすることで、言葉の壁を超えて、同じ時間を共有しているような気分になれる。

この時間が好きだ。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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