内向性
ボイルリバーセンターから歩いて、今日で6日目。

今日は久しぶりに街に入る。セント・アーナードという街だ。そしてそのあとには、テアラロア最難関といわれる「リッチモンド山脈」がひかえる。
このリッチモンド山脈を、はたして無事歩けるのか、二日前から少し緊張していた。
でもとりあえず今日は、セント・アーナードまで歩く。

しばらく歩くと、三人のハイカーが立ち話をしていた。
二人は僕とは反対方向に歩く人。そして一人は、僕と同じ方向に歩く人だった。
とりあえず三人に挨拶をして、そのまま僕も話に合流する。
三人ともよく喋るし、よく笑う。そしてリアクションが大きい社交的な人たちだった。バンバン炸裂するトークの前に、僕は一人、豆腐のように、微笑みながら、ほぼ無言で立っていた。
そして立ち話が終わり、別れる。
同じ方向に歩く人と今夜の宿が同じだとわかり、チェコから来たその人は「また宿で会おう!」と僕にいって別れた。
そしてまた一人で歩く。

僕は日本でも内向的だったけど、やっぱり海外でも内向的なんだなと、確認できた。
リアータ
そのあとリズムよく歩いていたら、湖にチェコから来た人が立っているのが見えた。

近づいて話をすると、どうやらここで電波が拾えるから、家族にメッセージを送っているということだった。
そしてお互いに自分の名前を伝える。彼女の名前は、リアータ。身体のいろんなところに大きなタトゥーが入っていて、耳には白くて丸いプラスチックなような質感のピアスがいくつかあった。そして、軽快に話す、とてもフレンドリーな人だった。
僕も電波を探すために湖に立ちどまり、リアータは先に進んだ。
そして家族や友人から来ていたメッセージを読んだあと僕も出発する。

しばらく歩くと、フランス人カップルと出会った。挨拶をしたあと、お互いに歩いてきたトレイルの情報交換をする。
どうやら彼らは、テアラロアをスタートしたばかりらしい。僕と同じで南島だけを歩く。ただ歩く方向は僕とは反対だ。
そしてスタートしたばかりなので、服もきれいで、とてもフレッシュだ。
僕がスタートしたばかりのころに、反対方向から来た、もう少しで歩き終える人たちのことを思い出した。
ついにここまで来たんだ。
そして、リッチモンド山脈を終えたあとに最後にある「クイーン・シャーロット・トラック」はトレイル上に食べ物屋さんがあるらしく「そこでたくさん飲み食いできるよ!」と教えてもらった。
ちなみに僕が「テアラロアには、フランス人が本当に多いね」というと、男性の方が口に手を当てながらヒソヒソ声で「多過ぎる」と返してきて、笑った。
そして二人と別れたあと、セント・アーナードに到着した。
アルパイン・ロッジ
セント・アーナードは街と呼ぶには本当に小さな場所だ。
小さな商店が一つ、宿が二つ、ビジターセンターが一つ、小学校と郵便局、消防署が一ずつ、そして大きな湖がある。

まず商店に向かい、リッチモンドに備えていくつか食べ物を買う。ちなみに、中には食べ物やギアの修理道具などが、雑多に置かれていて、値札がどこにもない。

なので、会計を済ませるまで金額がわからない。ちなみに、ここの価格は他の街のお店よりもだいぶ高い。
そのあとは、今夜の宿「アルパイン・ロッジ」に向かった。

まずは食料ボックスを受け取り、そのあとに洗濯を済ませようとロビーを歩いていると、リアータがやってきた!
彼女も洗濯をしようとしたけど、洗濯槽にまだまだスペースが空いているので「一緒に洗濯するかどうか」を聞くために、ちょうど僕を探していたところらしかった。
ということで二人で、洗濯をした。
そのあとは天国のようなホットシャワーを浴びて、またリアータと洗濯物を外の竿にかけにいった。
そして一人で、ロッジのレストランに向かい、サーモンピザとビールを飲む。ちなみにめちゃくちゃ美味しかった。

そのあとは、部屋に閉じこもった。

明日からいよいよ「リッチモンド山脈」に入る。
七日間で歩ききる予定だ。このリッチモンド山脈が終われば、そのあと5日間ほど歩けば、テアラロアのゴールだ。

久しぶりの個室で快適な時間を過ごしていたけど、明日から迎えるリッチモンド山脈のことを考えると、気持ちが落ち着かなかった。
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