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【テアラロア Day16】映画「ロードオブザ・リング」のロケ地に辿り着く

もくじ

一番寒い朝

今朝はニュージーランドに来て一番冷えた。

もってきたヒートテックとTシャツ、ダウンジャケットを全て着込んでも、ギリギリ耐えられるレベルだった。

ここはまだ山の上でないのに、それでもギリギリなので、これではまずい。この旅の後半は、テアラロアの最難関と呼ばれる険しい山々に入る。

この装備では絶対に耐えられないと思い、ベリーに相談してみた。

ベリーに見てもらったところ、マットレスが原因ということだった。ペラペラのマット一枚しか使っていなかったので、もう一枚追加した方がいいということだった。

「また、買わなきゃいけないものが増えるなぁ」と思っていると、ベリーが「僕がエアマットを買うから、りゅうやが運んで、夜も使って、昼はストレッチ用に僕が使うのはどう?」と提案してくれたので、そうすることにした。

下がったモチベーションが回復する

昨日は、テアラロアを歩くモチベーションが下がっていた。

最初の大きな街「テアナウ」に着いたことで、一区切りついて、一瞬気持ちが切れたからだ。

そして、僕たちは南から北に歩いているけど、反対方向から歩く人に出会うときもある。

昨日も一人の女性に出会い、ベリーが「あと少しでテアラロア達成じゃん、頑張って!」とエールを送ると、彼女は「もうだいぶモチベーションが尽きている」と苦笑いで答えた。

そうか、テアラロアを歩きたい人ほどの強いモチベーションを持っている人でも、それだけ長く歩いたらモチベーションは下がるんだなと思い「自分はどうなんだろう」と思うと自信がなくなり、モチベーションもそれにつられて下がった。

だけど今朝、目覚めたあとテントから出て、陽の光ときれいな空気に包まれると、自然とやる気が回復した。

ロードオブザ・リングのロケ地

今日もおなじみのメンバーと出発する。歩きやすいトレイル歩きから始まった。

ふかふかの地面は、足を置くたびに上下にバウンドする。

昨日は一日中晴れていて、久しぶりに乾いた足でいられた日だった。そして今日も晴れているので、足もずっとドライでいられる。

一時期は10個を超えていた水ぶくれも、5個くらいまで減ってきた。このまま水ぶくれを治したかったので、川を渡るときも足を濡らさないように慎重に渡る。

しばらく歩くと、大量の倒木で道が塞がれていた。

何ヶ所も塞がれている。

それを越えたあと、吊り橋と、休むのにちょうどよさそうな場所があったので、お昼ご飯のラーメンを食べる。

ちなみにテアナウで買ってきた「ミーゴレン」というラーメンが当たりだった。

新しい街に着くたびに、新しい食べ物を試してみようと思う。

ちなみに吊り橋からの眺めは最高だった。

そのあとは「マボラ湖」という湖に沿って歩く。

一般のキャンプ場があって、たくさんの人がキャンプをしていた。そして、でこぼこの砂利道をオフロードバイクやバギーで走って楽しむ人もたくさんいた。

少し歩くと、みんな立ち止まってカメラを構え始めた。

どうやら、映画「ロードオブザリング」のロケ地のようだ。

そしてまた歩く。

この日の後半は砂利道をまた、ひたすら歩いた。ベリーとドネックが先を歩き、僕とベルがヘロヘロになりながらあとを追う。

そして今日のハットに辿り着いた。

今夜のハットは、中が広くてきれいだった。これまででベストのハットだ。

早速、重いザックを地面に置き、靴と靴下を脱ぐ。そしてレッグカバーとアームカバーを外し、ベッドに腰掛けると、身体が空中に浮かぶような心地よさを感じた。

そしてドネックが火を起こす。部屋の中が暖かくなる。煙の効果で「サンドフライ」というニュージーランドの強力な蚊もあまりよってこない。

湖で身体を洗い、晩御飯のパスタを食べる。ドネックが「今日の晩御飯はなに?」と聞いてきたので、「パスタ」と答えると、「また、パスタ?」と笑いながら返事が帰ってきた。

そして、僕のトレイルネームが「パスタボーイ」に決まった。

そして四人で談笑する。

ベルとドネックが二人のなれそめを話していた。英語は全部聞き取れないけど、でも聞いていると、その楽しそうな雰囲気から、なんとなく幸せな気分になる。

そのあとは「理学療法士・ベル」のストレッチ教室が始まった。

心地のいい時間だった。

幸せを感じるといつも、その終わりを想像してしまう。長くて短い3ヶ月だ。少し切なくなりながらも、この時間を楽しんだ。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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