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【テアラロア Day12】TAハイカーに迫るクリスマス問題

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一人になりたくない

朝5:00に起きて支度をする。

膝はよくなっていた。いつもは7:00ごろまで寝ているけど、早起きした理由はベリーたちに追いつきたかったからだ。

ニュージーランドに来て最初の一週間は、ホームシックや孤独感が酷かった。

テントの中にいるときも、外から聞こえるベリーたちの英語の談笑が聞こえると、なんて言っているかわからないから、心細くなっていた。そして一人になりたいと思っていた。

でも、いまは色んな人が声をかけてくれたり、気にかけてくれたりする。まだ、英語の会話のなかに入るには十分ではないけど、ハットの中で一人で過ごす時間がとても寂しく感じた。

散り散り?

今日は二つ先のハットまで歩く。約30km離れている。

一つ目のハットに着くと、一昨日バーチウッドステーションで知り合ったアメリカ人のニックが休憩していた。

どうやら昨日は僕がいたハットを通り過ぎたあとで、疲れて歩けず、山の中にテントを張ったらしい。そして今夜はここに泊まるらしい。

ニックの話によると、昨日ニックが山を登っているときに、ベルとドネックがルートとは違う方角の森に入っていくのが、山頂から見えたらしい。

なので「二人とも今頃どこにいるんだろうか。大丈夫だとは思うけど」と言っていた。

念の為、ハットの中にあるトレイルノートを見てみたけど、二人の名前はなかった。ちなみにベリーの名前もなかったから、単に書いていないだけかもしれない。

まぁ、二人とも食料もテントもあるし、山には水がたくさんあるから大丈夫だろう。

四人で一緒にこのハットに泊まったのだと思っていたから、実はみんな散り散りになっているかもしれないということを知って驚いた。

タソックと湿地の道

一つ目のハットまでは綺麗な森林の中を歩いた。

ずっと雨続きだったけど、久しぶりに陽が射してきた。

そして、一つ目のハットを超えると広い景色が広がる。

タソックというファサファサの草がたくさん生えている。

でもその下には湿地が広がっていて、気を抜いたら泥の中にズボッと足が入る。

そして、地面がデコボコしていて意外と歩きにくいし、タソックは背丈が高いので、どこを歩いているのかわからなくなる。

本当は二つ目のハットまで頑張ろうと思っていたけど、降参した。

川沿いにテントを張って、この日はここで休むことにした。

みんなどこにいるんだろう。

クリスマス問題

TAハイカーの話によると、クリスマスは街に降りても、ほとんど全てのお店が閉まっているらしい。アウトドア用品店はもちろんスーパーも閉まっているということだった。

そして、ホテルやキャンプサイトも予約で埋まってしまうらしい。おまけに、クリスマスはヒッチハイクをしても車が捕まらないと聞いた。

そしてTAハイカーの中で「それは25日だけのことなのか、25日の前後もそうなのか」という不安(?)が広がっていた。

ただ、ベリーが前回、無駄にホテルに泊まることになったときに、ホテルのスタッフに聞いてみたところ「お店が全部閉まるのは25日だけ」ということだった。

「よかった」と思ったものの、問題は今日が24日で、このままのペースで歩けば、明日ちょうど街に降りるタイミングになるということだ。

さぁ、どうしよう。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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