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【フィリピン旅行記2 ♯4】フィリピンのド田舎でロトを買う&オシャレなレストランで取り乱す

もくじ

フィリピンのド田舎でロトを買う

ソーマの実家はヌエバエシハ州というところにある。

ここはお米の名産地で、日本でいう「秋田県」にあたる。そして写真を見てもらったらわかる通り、ここはド田舎だ。

ある朝、ソーマの家族とトライシクルで買い物にいった帰り、買い物のお釣りで「ロト買おうか!」という話になった。

「え、ロトって、あのロト?」

「ロト屋さん、あるの?」と聞くと、トライシクルが小さな民家の前にとまった。

ソーマに「ここで買えるよ」と教えられてついていくと、民家の中からおじちゃんが出てきた。そして、自分たちで決めたナンバーを一つ伝えた。

そしてお金を払い、店を出た。

家に帰ってしばらくのんびりしていた。

ロトの結果発表はこの日の11時だと、ソーマは言う。

「え、え?」「どうやって結果がわかるの?テレビ?ネット?」と質問するけど、答えが返ってこない。

そして、しばらくすると…。

外から大きな声が聞こえた。

「36~!」

おじちゃんがゆっくりと自転車を漕ぎながら、当選番号を大きな声でいっている。

外に見にいくと、おじちゃんが番号を僕に伝えてくれた。

「なるほど。この地域では、こうやってロトを買うのか!」と少し感動した。

ちなみに、ロトはハズレだった。

葬式の行列が家の前を通る

家でのんびりしていたときだった。

ソーマが「ちょっと来て」と僕を呼ぶ。ソーマのいる玄関にいってみると、その外には人の行列が見えた。車が先頭でゆっくりと走っている。

葬式の行列らしい。みんなうつむいて歩いていた。

フィリピンでは、人が亡くなると5~9日間ほど家に遺体を置いて、親せきや友人などと会えるようにするらしい。そしてその間は、親せきや友人などと、毎晩家でご飯を食べたり話したり、カードゲームをしたりして、遺族の気をまぎらわすそうだ。

そして葬式の前夜は地元のバンドを呼んで、歌を歌ってもらうらしい。

バンドを呼ぶのは葬式のパッケージに入っているそうだ。悲しい歌を歌ってもらう人が多いけど、なかにはハッピーな歌やファンキーな歌を歌ってもらう人もいるそうだ。

そして葬式の朝、行列になって外を歩き、墓地まで行く。

葬式が終わったら、みんなで家に戻り一緒にランチを食べて、遺族が感謝の意をみんなに伝えて解散、というのが一般的な流れらしい。

オープンしたばかりのオシャレな「JAB’S Cafe」で取り乱す僕

この日の夕方は、近所にオープンしたばかりのオシャレなレストラン「JAB’S Cafe」に向かった。

大きな敷地内には、室内レストランや屋外レストラン、ステージや広場などがある。

さっそく室内に入り、ご飯を食べた。

そのあとは、屋外の席に移動して、ステージで歌われる音楽を聴きながら、ご飯を食べる。

サラさんとエマックの息子、アリスくん

…はずだった。

僕は、大きな音や光や人混みが苦手で、異様に疲れてしまう。

屋外だとシンガーの歌う声が大きく聞こえるし、いろんな色のライトもある。人も多くて、苦しかった。

「ここから出たい」という衝動を抑えて、平静を保とうとしたけれど、ついに耐えきれなくなって、椅子を思いっきり叩いてしまった。

みんなびっくりしていた。

サニーさんが「大丈夫か?熱でもあるのか?」と手を僕のひたいに当ててくれたけど、僕はその場にいるのが耐えきれなかったので、「ちょっと歩いてくる」とその場を飛び出した。

敷地内の一番静かで、暗い場所のベンチに腰を下ろした。

「あーあ、またやってしまった」

僕は強い刺激に弱いので、こういうことは日本でもたまにあった。疲れているときに、こういう刺激の多い場所にいると追い詰められたような気分になって、いてもたってもいられなくなる。

はじめてのことではないので慣れてはいるんだけど、それでもやっぱり、迷惑をかけてしまったなと「罪悪感」と「自己嫌悪」を感じた。

そして、スマホの中にある山の写真を見ながら、自分の気持ちを落ち着けていた。

しばらくしてソーマがやってきた。

ソーマは僕のことをわかっているので、みんなに「僕の特性」を説明してくれた。そして「みんなも理解しているから、心配しないでね」と伝えてくれた。

そしてソーマがみんなのもとに戻ってしばらくすると、遠くにあるステージのシンガーが「日本から来たりゅーやに、この歌を送ります」といっているのが聞こえた。

そして僕の好きな歌が遠くで流れ始めた。

「The hardest thing I’ve ever done is keep believing..」

あぁ、サプライズで僕の好きなカーペンターズの歌をリクエストしてくれてたんだな…。と、しみじみ思いながら、遠くから聞いていた。

後日、みんなの前でソーマに「JAB’S cafeはどうだった?」と聞かれたときに、「うるさかった!」と答えたら、みんな笑ってくれた。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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