詩集を出版しました!こちらをクリック

【LGBTQ】同性婚がないことによる国際同性カップルのビザ問題

僕は34歳の男で、30歳のフィリピン人男性と日本で交際しています。

今回は、同性婚がない日本で、国際×同性カップルだから起こる在留資格(ビザ)問題を紹介します。

いろんなワードがあって頭が混乱すると思うので、一つ一つ説明していきますね。

もくじ

在留資格(ビザ)とは

外国人のパートナーが日本に住むには、この在留資格が必要です。

パートナーは「就労ビザ」を取っていて、「働いている間は日本にいてもいいですよ」というものです。

そしてこの就労ビザは、一度取ればいいというものではなくて、更新が必要です。ビザの内容によって期間は変わりますが、パートナーの場合は一年ごとに更新しに行っています。

この在留資格がある間は日本にいられますが、更新できずに日本に居続けると、不法滞在(オーバーステイ)ということになります。

在留資格(ビザ)×男女の国際カップルの場合

男女の国際カップルの場合は「配偶者ビザ」というものが用意されています。

日本人と結婚をした外国人が取得できるビザです。働かなくても日本にいられます。

この配偶者ビザは「結婚しているから」と簡単に取れるわけではなく、いくつかの条件や審査をクリアしなければいけませんが、それでも「配偶者ビザ」というものは用意されています。

同性婚がないことで配偶者ビザが得られない

そして、本題に入ります。

日本では同性婚が認められていないので、国際同性カップルの場合は「配偶者ビザ」という選択肢がありません。

つまり、外国人パートナーと一緒に日本で暮らすための保証が限られてくるということです。

パートナーの体験談

たとえ配偶者ビザがなくても、毎年安定して働けるのなら問題ないのかもしれません。

でも実生活では予測不能な事態はたくさん起こります。

もともとパートナーは大学院の職員&学生として、日本にやってきました。

ですが、最初の大学院の教授がかなり独特な人らしく、パートナーは精神的に追い詰められて心療内科に通うようになりました。(どんなことをされたのかと聞いても、「どう言ったらいいのかわからないし、思い出したくもない」と教えてくれませんでした)

それでも、勉強のために来日したので、苦しいながらも大学院に通っていました。

ですが「これ以上続けていたら、おかしくなる」と、最終的には辞めざるを得ませんでした。

そして辞めてからある一定期間、何もしないでいると在留資格が取り消されるので、すぐに英語教師の仕事を見つけて働き始めました。

元々勉強のために来日したので、英語教師として働いている間も他の大学院を探していました。

そしてある大学院を見つけ、今度は学生としてその大学院に入学しました。

ですが、運が悪いことに、今度の教授も「かなり独特な人」でした。そして精神的に追い詰められ、心療内科に再び通うことになります。

今回も同じで、ギリギリまで粘って大学院に通っていましたが、やはり「もう無理だ」ということで退学しました。

そして、何もしていない期間をつくらないために、再び英語教師の仕事探しを始めました。

ですが、なかなか仕事が決まりませんでした。

このときの在留資格の期限は2024年の4月まででしたが、仕事を探しているこの時点でもう2024年の2月でした。

「あと二か月以内にパートナーが新しい仕事を見つけられないと、日本にいられなくなってしまう」と僕は不安でたまりませんでした。

ですが、ギリギリで仕事を見つけることができました。

不安定な日常生活

「就労ビザ」で生活をしているパートナーが、毎年安定して働けるのなら問題はありません。

でもそんな保証はなく、今回のように心療内科を受診することもあります。他の病気やどうしようもないトラブルが原因で仕事をやめないといけなかったり、クビにされるかもしれません。

それらのタイミング次第では、在留資格の更新期限までに次の仕事を見つけられないかもしれません(「正当な理由」があれば猶予が認められることもありますが、実際に生活をしていると起こるトラブルは多種多様なものであり、それが「正当な理由」として認められるという保障はありません)。

今回パートナーは「無理だ!」と思ってすぐに大学院を辞めたので、そのあとも英語教師として働ける余力がありましたが、そうでなかった場合「自宅でゆっくり静養」なんてしていたら、在留資格を失う可能性だってあります。

「いつ、どんな形で、そういったことが突き付けられるかわからない、予想もつかない、だけどそういうことはある」という現実があります。

日本で一緒に幸せな日常を暮らしていても、その終わりがいつ来るかわかりません。

おわりに

同性婚が実現することで、国際同性カップルにも「配偶者ビザ」の選択肢が生まれ、この記事で紹介した不安が払拭されます。

そして他にも、同性婚という「当たり前の権利」がないことで、多くの人に気付かれない形でいろんな弊害や不都合が、今この瞬間も起きているのだと思います。

今回紹介した「国際同性カップルのビザ問題」もそのうちの一つです。

「国際同性カップル」というのは多くの人にとっては馴染みのない話だと思いますが、だからこそいつも孤独感がつきまといます。

そして、ネットを見ていると「国際同性カップルのビザ問題」について当事者の声があまりないと感じたので、一つの声としてこの記事を残しておきます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

気軽にコメントしてね!

コメントする

もくじ