詩集を出版しました!こちらをクリック

【ロングライド ♯1】日本海が見たい!群馬・新潟・福島・栃木を走る680kmの自転車旅

僕は、愛媛県から栃木県に引っ越してまだ3週間目の、無職の人間です。

なので今回の5泊6日の旅では、節約を意識しました。お金をあまり使わなくても、旅ができるというのは夢があると思います。

夜はテント泊で、飲み物も公園の水です。いくら使ったのかを、記事の最後に載せるので、参考にしてみてください。

もくじ

1日目

ついに出発の朝がやってきた。

まだ栃木に引っ越したばかり。新しい土地に慣れていなくて、気持ちの土台が少しグラついている。パートナーを一人、家に残して出るのも申し訳ない気分になる。

ただ、無職の今だからこそできることを、やっておきたい。

気持ちと足を、前に踏み出した。

ところが、走って2kmのところで、荷台の荷物がずり落ちた。いったん立ちどまり、直して、また出発するも、またずり落ちる。

「これは、ダメだ」と思い、家に戻る。

家で、もう一つのバックに替えて、再出発した。

せっかく朝早くに出発したのに、時間をロスしてしまった。というのも、今夜の宿は有料のキャンプ場で、受付があるので、17時までに着かないといけないという縛りがある。焦り気味で、ペダルを漕ぐ。

本当は、自転車旅の最中は、焦らずにのんびりといろんな場所を巡りたいから、予約をしなくてもいい無料のキャンプ場に泊まりたいのだけど、群馬県は探してもなかなか見つからなかった。

朝なので、自転車で通学している学生とたくさんすれ違う。

実は、僕は学生が苦手。というより、怖い。

僕は、自分が学生の頃から、学生が苦手だった。そして、自分が子供のときから、子供が苦手だった。よくからかわれたり、攻撃されたりしていた。嫌な思い出もたくさんある。子供や学生の攻撃性が、昔から苦手だった。

そんなことを思いながら、苦い気持ちで学生のあいだを走る。

スーパーマーケットを見つけた。

こっちに引っ越してきたばかりなので、知らない名前のスーパーばかりだ。「ちょっと入ってみよう」と栃木市民だらけの店内をウロウロする。

せっかくなので、パンを買った。そして、イートーンコーナーを見つけた。イートインは旅人にとって、本当にありがたい存在だ。

タダでお水も飲める。素晴らしいサービス!

そして、出発する。

まだ初日なので気持ちがフワフワしている。

はじめての群馬県!

キャンプ場に間に合うように、急ぎ気味で漕いでいたけど、それだけじゃ、せっかくの自転車旅がもったいないので、気になったスーパーに入る。

中にはどんなものが置いてあるんだろうという気にさせる、ネーミングセンスとデザインのスーパーだ。

普通のスーパーだった!

気を取り直して、ここでもパンを買い、食べる。

そのあとは、渡良瀬川わたらせがわ沿いを走り、

面白い形の信号機がある商店街を通り、

バイパスと並走して走った。

道を走っていると、こんな看板が見えた。

だんべうどん

かなり主張しているので、寄ってみることにした。

自転車を漕いでお腹がペコペコだったので、肉汁うどんの一番大きいサイズを選んだ。

かなりのボリューム!

愛媛では見られないようなタイプのうどんだった。豚肉と焦がし長ネギが入った、あたたかい醤油ベースの出汁に、小麦粉がぎっしり詰まった、歯ごたえのあるうどんをつけて食べる。

うまい!

食べても食べても、まだまだある。お腹がかなり空いていたので、食べ終わるまでずっと、幸せな気分が続いていた。

そのまま自転車を漕ぎ続け、時刻は15:00。

ここから、キャンプ場への7kmにもおよぶ坂道が始まる。

ヒィヒィ言いながら、坂道を上っていた。すると、事故があったらしく、警察の方が交通整理をしていた。片側交互通行になっている。

反対側から車が来ているので、いったん警察官に止められる。

坂道の途中で止められたあと、車の流れがなくなり、警察の方が笑顔で「どうぞ!」とGOサインを出す。GO!!出発したけど、坂道なのでのろのろとしか進めない。道の先の反対車線で列を成してこちらを待っている車が、たくさん見えた。

「早くいかないと」と頑張って漕いでいたら、向こう側にいる警察の方が「気を遣わなくていいですよ!」「疲れが…ね(無理して疲れると登るのが大変になるでしょう。旅をしているみたいだから、安全第一にね。マイペースでいいですよ。の意味)」と大きな声でこちらに伝えてくれた。

焦っていた気持ちが和らいで、警察の方にお礼をいった。

そして、16:20。キャンプ場に到着!

受付を済ませて、キャンプサイトに行く。

「うわぁ、広い!」「ここが僕の家だ!」とテントを広げた。

そして、テント場でのんびりテントをこしらえているときに「あぁ、このマイペースでいられる感じがいいなぁ」と思った。

今日は、17時までにキャンプ場に着かないといけないという縛りがあったから、気持ちもずっと焦っていたし、気になるお店があっても素通りしていた。

旅をしているはずなのに、社会生活の延長線上の旅をしているような気分だった。

森に囲まれた静かなキャンプ場に、一人で座り、自然の風を感じながら、疲れた身体を冷ましているときに、「あぁ、この時間を気にせずにぼーっとできる時間が、いいよなぁ」と、今日初めての自由を感じた。

その後、明日通る予定のルートを見ていると、明日も宿をとらないといけないことがわかったので、安いホテルに予約の電話をした。

初対面の電話越しの人の声は、少し怖く感じてしまう。面白そうなおじちゃんだったけど、明日の宿、どんな感じかなと少し緊張した。

でも、そのあとすぐに「あぁ、僕はいま旅人だ」と気が付いた。怖いことや嫌なことがあっても、スゥ―っと風になって、次の街までいけば解決するんだ。「僕はいま、会社に縛られていないんだから」と気が楽になった。

このとき、いままでどれだけ、社会人という立場や、会社の中の人間関係に縛られることで、「緊張」や「恐れ」を生み出していたのか、気がついたような気がした。

旅人になれば、それらは半減する。

でも、貯金がたくさんあるわけではない。この旅人生活もすぐに終わる。いずれまた、社会や会社に戻らないといけなくなる。

とりあえず、今日は寝よう。

パン×3213円
だんべうどん1070円
飲み物×3263円
晩ごはん(スーパー)537円
キャンプ場1000円
合計3083円
今日の支出
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

気軽にコメントしてね!

コメントする

もくじ