【テアラロア Day51】リ・スタート

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もくじ

昨日の出来事

昨日はバスでアーサーズパスに着いたあと、あらかじめ送っておいたボックスを回収した。

中には一週間分の食料と、クイーンズタウンで買った新しいシューズを入れておいた。ザックに食料を詰めて、ダンボールと古いシューズをゴミ箱に捨てた。

そのあと本当は、アーサーズパスのキャンプ場でテントを張ろうと思っていたけど、満員だったので、そのまま5キロほど歩いて、トレイルに入った。

久しぶりのトレイルだ。

気分は新鮮そのもの。身体もバッチリ回復できている。足の水ぶくれと、腰のシコリと、ガス欠気味のエネルギーが全て治った状態で歩くと「こんなに快適にスイスイ歩けるのか」と感動した。

トレイルの始まりの川辺でテントを張ったけど、心は前のめりで、テントの中で明日以降の地図を見ながら興奮していた。

そして、何より気分が新鮮だ!

一週間も街に滞在していたので、また自然の中に戻り「何時に寝てもいい、何時に起きてもいい、どこで寝てもいい、好きなだけ歩いたらいい」この状態が、最高に自由で、風のような気分だった。

みんなとは別れて一人になったけど、スマホの中にある、みんなと歩いた写真を見ていたら、思い出の力で、残り480kmを歩けそうな気がしてきた。

気分は充実していた。

新鮮なトレイル

一夜明け、朝9:00に出発する。

この日の最初は森の中を歩く。

ジリ貧だったこの前と違って、坂道でもスイスイと進む。気温もあまり高くなくて、快適だ。

そして日にあたった植物が、輝いて見える。

山頂まで着くと、今度は川沿いを下る。

この道がハードだった。大きな岩がゴロゴロ転がっているところを、歩くというよりも、両手両足を使いながら、身体を運ぶという感じだ。

途中、遠くの山から大きな滝が流れているのが見えた。

そしてまた歩く。

今日はすれ違う人が格段に多い。テアラロアを反対方向から歩く人たちだ。25人ほどとすれ違った。

いままでは、一日に多くても5人だったけど、北島の北から来た人と、南島の南から歩く僕がちょうど交わるタイミングがやってきたようだ。

情報によると、もう少し進むと一日に40人ほどとすれ違うことになるらしい。テアラロアの最難関「リッチモンド山脈」で、そんなことになったら、ハットの寝床の数が足りなくて、寝床争いになりそうだ。

でも僕は、テントで寝るのが好きなので、あまり気にしない。

そして、今夜の寝床を見つけた。

秘密基地

今夜の寝床を探すために、川沿いの道をそれて森に入った。

しばらく歩くと、木々に囲まれたフラットな狭い空間が現れた!

まるで秘密基地だ。

絶対に誰にも見つからないような場所で、テントを張る。

そして辺りをウロウロしていると、日本では見かけなさそうな鳥を見つけた。

テアラロアは残り470km。帰りのフライトまで、残り27日。計算すると、一日に17.4kmを休まずに毎日歩けば達成できる。

今日は休み明けだったので、あまり歩かなかったけど、明日はたくさん歩こう。

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著者

栃木県在住の35歳。

34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越し、ヘルパーの仕事をやめて無職になる。躁うつ病(完解済み)・同性愛・発達障害グレーゾーン当事者。趣味は登山で、ニュージーランド1300kmの歩き旅を終えたばかり。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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