今日は川の中を歩く日だ。
久しぶりに足が濡れることになる。

しばらく山を歩いたあと、川に出た。

川の流れる「ゴー」っという強い音の中を歩いたり、そのそばの陸地を歩いたりしながら進んだ。
川の音が、それ以外の音を消すから、歩くのに集中できる。

そうやって黙々と歩いていると、昔の記憶がどんどん掘り起こされる。
いい記憶ばかり浮かんでいた。
嫌な記憶も、いい側面ばかりが浮かぶ。懐かしさだとか、嫌な場面の中にもあった当たり前の有難さだとか。
ひとつづつ記憶を箱から取り出し、思い出しながら味わって、それをまた記憶の箱に戻す。その連続だった。

途中には、死んだ魚が転がっていたり、滝が流れていたりした。

ハットに着いたときには誰も人がおらず、僕とベリーだけだった。

二段ベットの二段目に自分の荷物をおいて、休んでいたら、そのあとから人がたくさんきた。
狭いハットの中で、みんなが会話を始めたけれど、僕は速い英語に一生懸命ついていくのを諦めて、ハットの外にある川のそばに一人で座った。
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