波が通り過ぎるのを待つ
今日は山を降りてワナカまで歩く日だ。
今朝テントから出たときに、ベリーが「調子はどう?」と聞いてきた、「昨日よりマシになったよ。メンタル的に」と答えると、「うん、表情が昨日より良くなっている」と返ってきた。
そして、「調子はマシになっているけど、あまり無理して自分をポジティブにもっていきたくないから、しばらくはこのまま、落ち込み気味で過ごそうと思う」というと、「それが大事。体調もメンタルも人生も波があるから、大きな波や小さな波が来るのをただ感じて、通り過ぎるのを待っていればいいよ」と教えてくれた。
ひどい水ぶくれ
ちなみにテアラロアの16日目からずっと、足裏の化膿した水ぶくれが痛かった。毎日痛みに耐えながら歩いていたので、足の他のところにも痛みが出ていた。
そして昨日の水ぶくれの状態を写真に撮ったので、見たい人だけ見てほしい。グロテスクなので注意してね。
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だけど、アメリカ人のケイロブが一昨日くれた薬を塗ったら、だいぶ良くなっていた。歩くときに感じる痛みも、ほぼなくなった。
そしてまた、寂しくなる
この二日間歩いている山は、急斜が激しくて、道もあまり整備されていない箇所があるので、かなり歩きにくいし、しんどい。
慎重に下る。
ふと、僕は下ばかり見て、ただ歩くことしか考えていないなと思った。好きなときに、道端に座り込んで花の写真を撮ったりできるのに、ただ歩いてばかりいる。
ちょっと立ちどまって、写真を撮る。
少し心が落ち着くような気がする。
そして山を降りたあとは、ワナカの街に続く湖の周りのトレイルを歩く。
いままで一緒に歩いていたベル&ドネックとサムはいなくなって、いまは一昨日出会ったルーカス&キムとケイロブとベリーの五人で歩いている。
みんな僕よりも歩くのが速いので、僕はいつも最後方から追いかけている。
そして、みんなが待ってくれて僕が追いついては、離れてを繰り返した。
途中、湖でみんなで泳いだ。
僕は水が冷たくて一番最初に湖を出たけど、スウェーデンから来たルーカスには温度がちょうどいいらしい。
そして、湖からあがりみんなが話しているのを聞いていると、音楽アプリの「Spotify」はスウェーデンの会社がつくったアプリだと知って驚いた。
そしてまた歩く。
ルーカスが特に、僕を気にかけてか、いろいろと話しかけてくれる。ケイロブもときどき話しかけてくれる。キムはおそらくシャイな性格だ。
最後方をキープしながら歩く。
ベル&ドネック&サムと歩いていたときは感じなかったけど、まだ出来たてのこのグループの中にいると、英語がネイティブではない僕は寂しさを感じる。
最後方を歩きながら、少しホッとしていた。
こうやってグループがどんどん入れ替わりながらゴールを目指すんだなと思った。
でも、ときどきルーカスが僕に話しかけてくれるので、そのときは嬉しくなる。
そしてまた、寂しくなる。
ベル&ドネック復活!?
今夜のキャンプ場に着いた。
ルーカス&キムが近くに美味しいフランス料理屋さんを見つけたので、みんなで向かう。
料理の名前はわからなかったけど、美味しかった。
そしてテントに戻る。
スマホを見ると、テアラロアの初期に出会った人たちとのグループチャットに、ベル&ドネックが「テアラロアは中断して、車を買ってニュージーランドを旅してまわります。そして今度は荷物を軽くして、テアラロアのルートをピンポイントで歩くことにしました。どこで会えるかはわからないけど、また、トレイル上で会いましょう!」と書いてあった。
どこで会えるかな。
嬉しい気持ちになり、メッセージにハートマークの絵文字を返信した。
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