詩集を出版しました!こちらをクリック

【母とのアフターストーリー旅行記 ♯2】イタリア人観光客の部屋に母とあがりこむ

もくじ

日光旅行の朝、心療内科にいく

母と再会して二日目。

この日は母と二人で日光に観光旅行にいく予定だった。

でも僕のミスで、この日に心療内科の診察の予約を入れてしまっていたので、午前10:00、病院まで向かう。

診察室の中で、ドクターに「母に怒ってしまうこと」を話した。

すると、「昔のトラウマがあるから、母親と会うことで感情が自動的に、そのときの感情とリンクしてしまうんでしょうね」と説明をしてくれた。

あぁ、よかった。

「そうだろうな」と自分でも思っていたけど、実際にドクターにいわれると説得力がある。「自分が悪いんじゃないか」と自分を責めずにすんで、スッキリした気持ちになった。

間違えてこの日に予約をとってしまったけど、間違えてよかったと思った。

ということで、今日以降は神経を鈍らせる頓服薬を毎日のんで、この怒りをやり過ごすという作戦をたてた。

今回の旅行の目的は、僕が楽しむためではなく、母に楽しんでもらうことだからだ。

日光東照宮で介助者になる

そして母と二人、電車で日光へ向かった。

母は、広島の自宅では、いつも家の中でテレビを観てばかりで外出や旅行をしないので、「東武日光駅」の駅前にあるたくさんのお土産屋さんや観光客の姿に「旅行気分」を感じて、すでに楽しそうだった。

駅を降りてバスに乗り日光東照宮に向かう。

一つの敷地内に見どころのある場所が四カ所散りばめられていた。

そしてここは階段がたくさんあるし、手すりのない階段もあるので、僕が介助者になって母の手を取り、一段一段、階段を一緒にのぼったり、おりたりした。

「ここは私みたいなお年寄りはいないね」と母がいう。

周りを見渡すと、確かにいなかった。母にいわれないと気付かなかった。

ちなみに「日光東照宮」はどうだったと聞くと、「まあまあ面白かったよ、でも歴史好きな人のほうが楽しめるね」ということだった。

僕も母も、東照宮よりも、外国人観光客だらけの観光地らしい雰囲気を、楽しんだ。

鬼怒川温泉の宿のスタッフさんに大爆笑する母

ホテルは鬼怒川温泉エリアにとっていた。

日光のホテルはどこも高かったからだ。でも、このホテルも2名で1万円と、僕にしてはけっこう奮発したつもりだ。

宿に向かうために、「鬼怒川温泉駅」で電車をおりた。

駅の構内で、外国人夫婦の子供であろう1歳くらいの子が、別の日本人観光客の子供と遊んでいた。

母は立ちどまり「かわいいねぇ」と、その光景を笑顔で眺めていた。

そして再び歩き始め、今夜のホテルについた。

このときに出会ったフロントのスタッフさんが、かなりユニークな人だった。

ダジャレがどんどん口から滑り落ちてくる。

僕は頭の回転が遅いし、ダジャレに対して「あぁ」とか「へぇ」とかしか言えない人間なので、ただ話を聞いていたんだけど、隣にいる母は大爆笑していた。

ダジャレをいうたびに、大爆笑で大うけするので、ダジャレをいっているフロントのスタッフさん自身も驚いていた。

「本当にそんなに面白かったの?」とあとで聞くと、「だって、面白いじゃん!あんなこといわれたら!」と返ってきた。幸せそうな表情をしている。

いろんな人間がいるものだ。

イタリア人観光客の部屋に母とあがりこむ

そして部屋に入り、一階にある大浴場に母と向かった。

大浴場の中には外国の方が一人いた。

僕が身体を洗い、湯船につかるときに目が合ったので、お互いに挨拶をして会話を始めた。

イタリアから奥さんと子供の三人で、日本に一か月ほど旅行に来ているようだった。すごくフレンドリーな人だったので、僕は話すのに夢中だった。

そして、「Facebookか何か交換しよう!」ということになった。

でも、僕は大浴場にスマホを持ってきてなかったので「部屋の番号を教えてもらえる?」と聞くと、まさかの隣部屋だということがわかった!

そういえば、隣の部屋の前にベビーカーが置いてあった…。

「あのとき、鬼怒川温泉駅で母が見ていた子供のお父さんだ!」と気付いたので、「実は僕の母が、あなたの赤ちゃんを見るのが好きみたいなので、母と一緒にいっていい?」と聞くと、「もちろん!」と返ってきた。

そして温泉をあがり、母と隣の部屋にいくと、奥さんも旦那さんも、笑顔で迎え入れてくれた。

母は英語が話せないし、母にとってはじめての国際交流なので、僕が通訳をする。

どうやら奥さんは前に日本に友達と来たことがあるらしくて、今回旦那さんを連れてもう一度、日本にやってきたそうだ。

旦那さんははじめての来日で、興奮しながら「今回の旅でいった広島・宮島・大阪・京都・東京・高山」の話をしてくれた。子供のころは、日本の漫画を見ながら育ったらしく「北斗の拳」や「DEATH NOTE」も見ていたようだ。

そして明日は日光にいくらしい。

一通り話をしたあとは、母は子供に夢中で、ずっと子供と遊んでいた。

旦那さんの方は嬉しそうにたくさん話してくれるけど、奥さんの顔に疲れが見えるので、しばらくして僕たちも部屋に戻った。

部屋に戻ると母は「赤ちゃん可愛かったねぇ!」「イタリアの人と話せて楽しかったねぇ!」と大満足の様子だった。

僕も大満足だった。

にほんブログ村 旅行ブログ 旅日記・旅の思い出へ

この記事がよかったら、クリックで応援をよろしくお願いします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

気軽にコメントしてね!

コメントする

もくじ