ちょっと不安なくらいが一番いい

当ページのリンクには広告が含まれています。

ちょっと不安なくらいが一番いいんじゃないかと思う。

毎朝、眠りの世界から現実に戻ってくるのと一緒に、不安も戻ってくる。

家の中にいると、誰かがインターホンを鳴らして、暴言を吐いてくるんじゃないかと、いつもちょっとビクビクしている。昔、そんなことがあってトラウマになったので、いつも、ちょっと不安だ。

だから家の周りで、誰かの声が聞こえると、少し怖くなる。

パートナーと家の外にいても、いつも不安だ。

パートナーは外国人で、彼は来日直後に「〇すぞ!」と日本人に耳元で連呼されて、追いかけまわされたらしい。

他にも、僕と一緒に外にいるときにも、嫌な視線を感じるときがたまにあるので、そういった視線がトラウマになっている。

だから、家にいて、不安になってくると頓服薬を飲む。

外にいて不安になると、頓服薬を飲む。

それで、だいぶマシになる。

夜も眠れるし、ご飯も食べれるくらいに、ちゃんと生活ができる。

だけど不安はいつも、ついてくる。

ちょっとした不安と毎日一緒にいるので、なんというか、不安は友達みたいなものだ。

こいつがいるから、僕は頑張れる。

この不安をどうにかしたいと、本をたくさん読んで知識を身につけ、強くなろうとしている。自分がギリギリ耐えられるものなら、どんな経験だってしたいと思える。ちなみに、登山やジョギングなどを定期的にやっているけど、不安がなかったら、やる気が湧かない。

僕は、去年ニュージーランドの山々を1300km歩くロングトレイルをしたけども、それも不安のおかげだ。

コロナ禍になったときに、ストレスが高まった。

普段飲んでいる精神の薬を強くしてもらったけど、それでも足りなくて、このストレスを解消するために運動を始めた。最初はサイクリングを始めて、それが登山に変わっていった。

当時、新しいアパートに引っ越しをした二日後に、隣人にいきなり「〇えろや!」と言われ、その後も2、3回付きまとわれた。

そのときのものすごい恐怖や不安から、家にいたくなくて、休みの日はいつも山に登って、現実逃避をしていた。

その人に怯えないように、強くなりたくて、鍛えたくて、とにかく山にたくさん登った。

とにかく繰り返し登山を続けていたので、信じられないくらい体力がついて、ニュージーランドの山々を1300kmも歩くことができた。

そんなことができたのは、僕に暴言を吐いてくれた人や、その人に対する僕の不安のおかげだ。

不安がなかったら、本当に何もしなくなると思う。

この耐え難い不安を何とかしたいという思いが原動力になり、僕の人生をよりよい方向に導いてくれている。

お金にしてもそうだ。

僕の貯金は、少ない。

いまは就労移行支援B型というところで、新しいスキルを学ばせてもらいながら働いていて、収入は月に2万ほどだ。

だから、本当にいろんな副業を始めた。

どれもまだ、結果は出ていないけど、お金が少なくて不安だから、行動していろんな副業を始めることができた。

会社で働いていたころは、副業のアイデアがあっても、行動に移さなかった。

金銭面で問題がなかったので、行動する気持ちが湧かなかったからだ。

貯金は少ないし、収入も少ないから、なんとかしないといけないんだけれど、そうやってあれこれ手を出しながら、収入を得る方法を自分で考えて試して、人生を切り開いてゆく感覚は、とても清々しくて、充実した人生を送れているなと感じる。

前の会社で働いていたとき、コロナの影響で県外に出られなくなったときがあった。

だけど一回だけ、会社に内緒で、パートナーと一緒に県外を旅行したことがある。

僕は会社での信頼が厚かったので、バレたら評価がガタ落ちだろうなと、かなりビクビクしながら県外に飛び出した。

広島のとある駅で降りると、テレビカメラが地元のテレビ番組か何かの撮影をしていた。僕は自分の姿が映らないように、焦って、カメラの反対方向に向かった。

長崎でもテレビカメラがいたので、焦ってすぐにその場を立ち去った。となりにいたパートナーは笑っていた。

風邪をひくことも許されなかったので、風邪をひかないように、テレビカメラに収まらないように、常にビクビクしながらする旅行は、とてもみずみずしく、思い出に深く刻み込まれた。

ビクビクしながら毎秒毎秒を過ごすのは、まさに「いまを生きている」という感覚そのものだった。

いくつか例を出したけど、こんなふうに、不安は僕に力を与え、「いまを生きる」という感覚を思い出させてくれた。

不安を感じている瞬間はとても気持ちが悪いけど、薬を飲んでいれば、食べられるし眠ることもできる。

いまも不安を感じていて、急に怖くなったりするけれど、こんな不安と一緒に人生を歩めるなんて、僕はラッキーだと本当に思う。

だって、不安のない人生を想像すると、それはちょっとゾッとする。

これからも、正反対の性格の、頼もしい相棒二人(不安と薬)に頼りながら、人生を歩んでいこう。

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

著者

栃木県在住の35歳。

双極性障害二型(完解済み)・同性愛者。

34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越し、12年間続けた介助の仕事をやめて無職になる。精神安定剤代わりに始めた登山を、毎週続けているうちに、ニュージーランド1300kmのロングトレイルを歩くことができるようになった。フィリピン人の同性パートナーと一緒に生活をしながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

コメントが欲しくてたまりません、どうかコメントを…!!

コメントする

もくじ