【自分語り】三人以上になるのが怖かった

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中学生頃から、意識し始めたと思う。

僕は、三人以上の集まりの中にいるのが怖かった。

なぜかというと、集団の中にいると、なぜか僕はいつも一人ぼっちになってしまうからだ。

二人きりで誰かと話していると、相手もちゃんと相手をしてくれるんだけど、そこに誰か一人が混ざると、相手はいつもその一人とばかり話すようになる。そして僕はポツンと一人になっていた。

なぜか、毎回そうだった。

三人以上になると、相手はいつも、僕じゃない誰かと一緒になる。

なんでなのか本当にわからないのだけど、集団の中では「僕以外の人たちは、僕以外の人たちと友情を結び続けて、仲良くやっている」ように見えた。見えたというか、本当にそうだった。

原因は、僕のコミュニケーションが下手だったか、変だったからかもしれないけど、そんなことばかり続くもんだから、三人以上になるのがいつも怖くて、三人以上になった瞬間に、僕はその場を自主的に退くようになった。

だから、集団が苦手で、集団に入るとすぐに戦意喪失してしまう。「あぁ、ダメだ」と、はなっから諦めモードになる。もう、反射的にそうなる。

でも、大人の世界に入ると昔と少し違った。

大人になってからは、気の合う人と出会うことが増え始めて、友人もでき始めた。

子供のころは、たぶんみんな同じ世界か、似たような世界にいたんだと思う。僕は、そのときから少し違う世界にいたんだと思う。だから、他のみんなは、通じ合いやすかったんだと思う。

大人になると、僕は相変わらず違う世界にいるけど、他の大人も、子供のころには遭遇することのなかったいろんな出来事が起き続け、みんなそれぞれ、それぞれのオリジナルの道(孤独の道)を歩くことになるので、そういう意味で、昔から孤独だった僕とも気が合う人が出てきはじめたんだと思う。

26歳くらいのとき、職場の同僚と三人でご飯を食べに行った。

特別、仲のいい同僚ではなかったけど、それでも二人とも、分け隔てなく、普通に僕に話しかけてくれていた。それが、当時の僕には感動的な出来事だったので、「優しくしてくれたり、普通に話しかけてくれて、ありがとう」と思わず、伝えた。

「へ?」という、間の抜けた返事が返ってきた。

あっ、そうだった。別に、特別優しくしてくれているわけではなく、相手からしたら普通のことをしているだけだったと気付き、慌てて言葉を収めた。

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著者

栃木県在住の35歳。

双極性障害二型(完解済み)・同性愛者。

34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越し、12年間続けた介助の仕事をやめて無職になる。精神安定剤代わりに始めた登山を、毎週続けているうちに、ニュージーランド1300kmのロングトレイルを歩くことができるようになった。フィリピン人の同性パートナーと一緒に生活をしながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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