毎週末、レンタカーでどこかへ行く
前回は、栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」に行ってきたけど、それ以降、毎週土日は、レンタカーを借りてどこかへ行っている。
茨城県の「大道芸フェスティバル」にいったり、群馬県の「草津温泉」にいったりした。
僕は高速道路を走るのが怖いし、運転があまり得意ではないので、全部下道から行く。
助手席に座るパートナーのソーマは、まさに「助手」で、僕が「グミ」というと、グミをパッと手渡してくれる。「温かい紅茶」というと、魔法瓶に入れた紅茶を手渡してくれる。
お義父さんは、フィリピンではずっと農業をしていたので、畑の横を通るたびに、野菜の名前をいいいながら野菜を眺めたり、わからない野菜があると、僕やソーマに聞いてきた。
お義母さんは喋るのが好きで、静かにしているのが我慢できない正確だけど、僕は静かな空間が好きなのを知っていて、じっと静かに後部座席に乗っていてくれた。
お義父さんもお義母さんも、僕を気遣って静かに座ってくれていたけど、ときどき話が始まって笑いが起こる。なんの話をしていたのかを、ソーマが僕に翻訳する。そして面白くて、僕も笑う。
みんなで笑いながら、車で出かけるなんて、僕が子供の頃に憧れていた家族の姿のようで心が温まった。
栃木市から、茨城県や群馬県に行くときは、毎回100kmを超える運転になる。
車を持っていない僕からしたら、それは大仕事だった。
だから定期的に、どこかのスーパーに寄って、休憩をする。もちろん店内にも入る。
ノンアルコールビールを買ったり、グミを買ったり、キャベツが100円で売られていたらキャベツを買ったりしながら、下道ドライブを楽しんだ。
旅行先でしばらく時間を過ごしたあと、また家に帰るために夜道を走るのだけど、晴れた夜の日もあれば、雨の日もある。それぞれに違った雰囲気の夜道を、今日の出来事に浸りながら走るのは、しあわせそのものだった。
そして、午後7時ぐらいになると、晩ご飯のためにスーパーを探す。お金を節約しているので、ごはん屋さんではなく、スーパーの半額を漁る。
お義母さんは車椅子での移動になるので、僕とソーマとお義父さんの三人でスーパーの惣菜コーナを見て回り、半額のものがあると、みんなで歓喜した。
そして、スーパーの電子レンジで温めて、そのまま駐車場の車の中で晩ごはんを食べる。
旅をしているような自由さがあった。
また別の日には、土砂降りの中、コインパーキングにとめた車の中で、半額の惣菜を食べた。
記憶に残る、晩ご飯だった。

そこで!?
ところで、ご両親と旅行に行くと、いつも驚くことがある。
二人とも、フィリピンとは違う日本の景色を楽しんでいるので、写真をたくさん撮る。
ご両親と景色が一緒におさまる写真を、自撮りしたり、僕が撮ったりしているのだけど、その写真を撮る場所のチョイスが面白い。
例えば、草津温泉に行ったら、一番目を引く湯畑の前で写真を撮りたいと思うのが普通だと思っていたのだけど、お義父さんはその隣りにある、とくにデザインのない金属のポールと一緒に写真におさまりたいという。

草津温泉のホテルに付いたら、ホテルのエレベーターと一緒に写真に写りたいという。
そして、道端にあるかわいい野草(雑草?)と一緒に、写真を撮ってほしいという。
もちろん、王道のような場所でも写真を撮るのだけど、そんな変わった場所で写真を撮りたいだなんて、目のつけどころが面白いと思う。
一緒に刺し身を食べよう
旅行の話ではなく、普段の日の話をしようと思う。
僕はいま無職で、パートナーは働いている。パートナーが仕事帰りに、スーパーで日本のいろんなお菓子や食材を買って、ご両親に食べさせている。
ちなみに、ご両親が好きな日本の食べ物は「甘納豆」や「わらび餅」、「鈴カステラ」に「ごまドレッシング」だ。そして、二人とも苦手なのが「刺し身」だった。
僕は大好きなので「お義父さんと一緒にお酒を飲みながら食べよう」と思い、半額の刺し身を買って、お義父さんに食べてもらったのだけど、お義父さんは「美味しい…」といいながら、箸がまったく進んでいなかった。
「美味しくない?」と聞くと、「美味しいよ」といいながら、大量のガリをマグロの上に乗せ、食べ始める。
「あぁ、やっぱり苦手なんだ」と思い、残りは僕が全部食べた。
そしてまた別の日に、お義父さんとパートナーと三人でスーパーにいったときに、お義父さんが半額の刺し身を見つけた。お義父さんは「一緒に食べよう」と笑顔でいいながら、僕が持っている買い物かごに、刺し身を入れた。

そして家に帰り、刺し身のパッケージを開ける。
お義父さんと、お酒を飲みながら、刺し身を一緒に食べる。お義父さんは、一切れのマグロに大量の醤油をつけ、大量のガリをのせ、一気に口に運んでいた。それをもう一回繰り返したあとで、「残りは食べていいよ」と僕にくれた。
あとでパートナーに確認してみると、思った通り、お義父さんは生の魚の匂いが苦手なようだった。でも、僕と一緒に食べたいからと、頑張って食べてくれていたようだった。
捨てるはずの容器
そして刺し身を食べ終わったあとの、プラスチックの容器を見たお義父さんが「美しい…」とつぶやいた。
ちなみにその容器は、よく見かけるこういうデザインの容器だ。

お義父さんとお義母さんは、これまでも、プラスチックの容器やきれいな箱を見るたびに、「美しい…」とつぶやいて、フィリピンでも使うために、洗って持ち帰ろうとしていた。

それを見た、日本に染まったパートナーが、「なんでやねん!なんでこんなもん持って帰るんよ。捨てなさい」と、ビリビリに破いて、ゴミ箱に捨てた。
そして僕に「もし、お父さんかお母さんがまたゴミを持ち帰ろうとしていたら、持ち帰れないように、ビリビリ破いてね」といった。
そして、それを聞いたお義父さんとお義母さんは「ハッハッハ」と笑った。
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