【働く奮闘記 ♯3】ハードルを下げて、内職から始めよう

二社目の英会話教室から返信があった。

書類選考は受かったので、次は動画面接用の動画をつくってくださいということだった。

「志望動機」や「英語に親しむようになったきっかけ」などを日本語で話し、それを録画して、提出する。5分から15分の動画をつくってくださいということで、6分の動画をつくった。

そして送信すると「合否の結果を一週間以内に連絡します」と返ってきた。

ちなみに、もう一つ返ってきたものがある。

一社目の英会話教室の合否通知だ。

やっぱり、予想していた通り「不合格」だった。

そうだろうな、と思っていたからショックはなかった。ただ、やることはやったんだという満足感があった。でも、満足感だけではメシは食えない。

とりあえず、二社目の返信を待とう。

ただ、ずっと待っているわけにもいかないので、ネットで仕事を探していた。

というのも、僕は無職生活に耐えられなくなってきていたからだ。収入はなく、毎日、やることもない。苦しくて、いつも気分が落ち込み気味になっていた。

でも、英会話の仕事のようにいきなりバリバリ働くのは、心理的なハードルが高すぎてメンタルがやられるので、「シール貼り」のような内職から始めるのもいいんじゃないかと思った。

だから「シール貼り」で検索していたけど、家までキットを届けてくれて、そして家まで回収に来てくれるような内職はほとんどないということだったので、あきらめてまた画面をスクロールする。

すると「字がきれいな人」という、うたい文句があらわれた。

「働く奮闘記の1記事目」の冒頭にスキルとして書くのを忘れていたけど、僕は字がきれいなのだ。

20年以上、習字をやっていたからだ。

「字がきれい」なんて、なんの役にも立たないだろうと思っていたので、スキルとしても考えていなかったし、そのことを忘れていた。

さっそく内容をのぞいてみると、どうやら手紙やはがきの文字を書く内職らしい。

手紙を一通書いて、30円の工賃がもらえるようだ。内職なので安いけど、最初はこれくらいから始めたいなと思った。これなら僕にでもできそうだ。

英会話教室のときとは違って、なにもプレッシャーに感じることなく、すぐに仕事を申し込んだ。

安い仕事だから、月に3万も稼げないだろうけども、精神安定剤代わりにはなる。毎日やるべき仕事があり、わずかでも工賃が入る。何もしないよりははるかにマシだ。

この内職に申し込んだあと、気分が一気に晴れやかになった。

「あぁ、やっと仕事ができる」「僕にでもできることがある」

格安の給料だけど、ここから始めるんだ。ここから階段をのぼっていくんだ。

この仕事が決まったら、僕は最初の一歩を踏み出せる。

そう思って、嬉しくなった。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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