【働く奮闘記 ♯1】無職生活に区切りをつけ、オンライン英会話の面接を受ける

これは、20歳のころアルバイトを6つしたけど上手くいかずに、どれもすぐにやめてしまったことで自信を失った人間の物語だ。24歳のころ、運よくある会社に拾ってもらい、障害者雇用で「介助士」として働くことになった。だけど、いろいろあって34歳で仕事をやめた。スキルは「介護福祉士」と「TOEIC800」で、正社員経験はなし。アピールできるような職業経験なしの35歳が再び、仕事を見つけ、安定して働くまでの奮闘記だ。

僕は、一年間無職だった。

その前に10年以上働いていた会社は、すごくホワイトな会社だったけど、最後の方は人間関係が上手くいかなかった。ちょうど、愛媛で一緒に暮らしていたパートナーが、仕事で栃木に引っ越さないといけないこともあって、僕は仕事をやめた。

そして無職生活を一年している間に、旅に出かけたりもした。

いつか働かないといけないことはわかっていたけども、僕には働く自信がなかったのでずっと逃げていた。その間に、このブログで生活費を稼げないかと、せっせと更新していたんだけど、月に100円も稼げなかった。

…働くしかない。

最初に狙いをつけたのは、オンラインの英会話講師だ。

僕は英語がまあまあできるし、オンラインという自由な働き方が自分に合っていると思ったからだ。

人間関係でのストレスに極端に弱いので、家でできる仕事というのが魅力的だった。そして「英会話講師」という響きに、憧れもあった。

さっそくネットで調べてみると、面接を受けようと思った英会話の会社の募集要項には「発音がネイティブレベルであること」と書いてあった。

僕の発音はネイティブレベルではないので「あぁ、ダメじゃん…」と思って、パートナーにそのことを伝えてみると「大丈夫。ネイティブレベルじゃない日本人英会話講師はたくさんいるから、受けてみたらいい」と返ってきた。

ちなみに、パートナーはオンラインではない英会話教師として働いている。

「なるほど」と思い、第一次選考用のフォームを記入すると、すぐに合格の通知がきた。これで、二次選考であるオンライン面接に進める。オンライン面接はどうらやグループでやるようだった。パートナーは「やったじゃん、グループだったら緊張が減るよ」といった。

そして合格の通知の画面には「子供たちと接するには笑顔と元気が大事です。面接ではありますが、あまり緊張せずに笑顔と元気を見せてください」とあった。この英会話教室では主に子供を相手にする。

だから、とにかく「明るく元気にいこう」と決めた。

当日、ドキドキしながらzoomの会場に入った。

面接を受けるのは、僕を含めた三人だった。

オンライングループ面接を受けるのは初めてだったので、どうふるまったらいいかわからないけど、とりあえず「こんにちは~」というと、残りの二人が会釈を返してくれた。

僕は笑顔を絶やさないように、口角をあげ続けながらzoomの画面に映った。「面接が終わるまでの30分間は、口角を上げ続けるんだ…!」と気合を入れていた。

そして、面接官が面接を始めた。

面接官は日本語で、僕たち三人に質問をする。それに対して、僕たちは英語で返さないといけないというものだった。

最初の質問は「自己紹介をしてください」というものだった。

これの質問は想定内だったので、英語で答える。

そのあとで残りの二人も答えたけど、二人とも発音がネイティブレベルで、僕は完全に圧倒された。

一人はアメリカ、もう一人はカナダに住んでいるらしい。この時点で、緊張が一気に最高潮に達したので、そのあとの質問の返答はひどいものになってしまった。

頭が真っ白になったので、「すみません、頭が真っ白になってしまいました」と明るくいいながら時間稼ぎをし、言わないといけない言葉をなんとか引き出す。

緊張で余計な動きが多く、挙動不審になっている。そして、話しながら「えっと…」や「あぁ…」といった言葉を連発してしまう。無意味にボディランゲージをしまくっているので、変な感じになっている。同時に、他の二人や面接官の表情も確認すると、みんなほんのり笑みを浮かべている。いい意味の笑みであってほしい…。

そんなふうに僕は、緊張で挙動不審だし、英語の発音がひどいのに対して、残りの二人は落ち着いていて、大人びた雰囲気をしていた(年齢は僕より若いと思う)。そして英語の発音が完璧だった。

そして面接がおわり、zoomを閉じた。

ノートパソコンをパタンと閉じた。

「終わった…」

終わったというのは、面接が終わったという意味と、面接に落ちただろうという二つの意味でだ。

他の二人はまず受かっただろう。僕ができたのは「明るく元気に」ふるまうということだけだった。それ以外にいいところはなかった。

面接官は「2、3日後に合否の連絡をします」と言っていた。その言葉を聞きながら、僕は「元気よく」頷いたけど、面接官は心の中で「あなたは落ちますけどね」と言っているんじゃないか、僕は場違いなところにいるんじゃないかという孤独感に襲われた。

面接が終わったあと、「おれはダメ人間だ…」と自己嫌悪に襲われた。

無職で好きなことをしていたときにはなかった感情だ。無職になる前、働いていたときによく感じていた感情だ。

「どうして僕はこうなんだろう」と思って泣きそうになった。

でも、これは始まりに過ぎない。

失敗談で本が一冊かけるくらい挑戦するんだ、という気持ちでいる。

だから、落ちたら、また別のオンライン英会話の面接を受けるまでだ。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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