海が見える
今日はリッチモンド山脈3日目。
早速、長くて急な登り坂から始まった。

「この坂を登りきったら山頂か」と思いながら登り、山頂かと思った場所についたら、そこからまた坂がつづいている、その繰り返しだった。


そして坂を登りきると、エマ&キアラがいた。二人が見ていた方向を僕もみると、海が見えた。

あぁ、海だ…。
そして海の先に、いろんな想像が広がる。
テアラロア5日目以降、ずっと海を見ていなかったので少し感動した。ゴールは近い。
そしてパブロは少し離れたところに座って、その景色を眺めていた。

ジェームズと歩く
しばらく歩いていると、昨日のハットで少しだけ話をしたジェームズと出会った。

彼はイギリスから来たようだ。歩くのが好きで、母国でもずっと歩いているし、他のロングトレイルも歩いたことがあるらしい。
仕事は庭のデザイナーで、最初は友人に頼まれて個人的にやっていたことが、そのまま仕事へと変わっていったらしい。
ちなみに、今は住んでいる家がないと言っていた。いろんなところを旅するのが好きなようだ。
彼は文章を書くのも好きなようで、このテアラロアの間も毎日、日記を書いている。人生のことについて文章を書くのも好きなようで、僕と同じだ。

一緒に歩いていたんだけど、彼が立ちどまった。そして、道に生えていた白い果物をつまみ、食べ始めた。
「これは、アルパインベリーという果物だよ」といわれ、僕も試しに食べてみた。

フルーティーな味がする。気分がリフレッシュできて美味しかったので、あたりを見まわしたあと、もう三つほど食べた。
そしてまた歩きながら話していたけど、僕が「ネイティブの英語は早くて聞き取れないことが多い」と伝えると、「僕も聞き取れないときがある」と返ってきた。
うん?
ザ・英語の国「イギリス」出身なのに?
どういうことなのか聞いてみると「西洋の国は、効率重視の社会になってしまっているから、ものすごく早口で喋る人がいるんだ」「だから僕でも、聞き取れないことがあるんだよ」と答えた。
「だから、僕はゆっくりと喋るようにしてるんだ」
そのあとは山頂で一緒にランチを食べた。そして僕は、先に出発した。

大きな岩だらけの上をゆっくりと歩く。ときどき足をのせた岩が、大きくグラつくことがあるので、ずっと気は抜けない。

下り坂も、岩がたくさんあったり、渇いた砂利に足をとられて、何度もこけた。

道が細くて、その横は崖になっている場所もたくさんあった。

歩くのに神経を使うので、途中にある河原に座って休憩する。

でも疲れはするけど、慎重に歩いたらそんなに危なくはない。いまのところは。
そして今日はハットの横にある、キャンプ場にテントを張った。

ベリーからのメッセージ
テントの中でご飯を食べていると、デート明けのベリーからメッセージが届いた。
「今日からまた歩き始めるよ。ハブロックからスタートするけど、いまはどの辺りにいる?」
ハブロックは、ここから5日かけてたどり着ける街だ。5日も差があるので、残念だけど、一緒に歩くことはもうないだろう…。
だけど僕もベリーも、自分の国へ帰るフライトが3月1日と、奇跡的に同じ日付だ。
3月1日にウェリントン空港で飛行機に乗るまで、僕もベリーも何日間かウェリントンに滞在することになるだろう。
「そのときに一緒にご飯を食べて、テアラロア達成を祝おう」と返信した。
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