【テアラロア Day65】60日ぶりの海

もくじ

海が見える

今日はリッチモンド山脈3日目。

早速、長くて急な登り坂から始まった。

「この坂を登りきったら山頂か」と思いながら登り、山頂かと思った場所についたら、そこからまた坂がつづいている、その繰り返しだった。

そして坂を登りきると、エマ&キアラがいた。二人が見ていた方向を僕もみると、海が見えた。

あぁ、海だ…。

そして海の先に、いろんな想像が広がる。

テアラロア5日目以降、ずっと海を見ていなかったので少し感動した。ゴールは近い。

そしてパブロは少し離れたところに座って、その景色を眺めていた。

ジェームズと歩く

しばらく歩いていると、昨日のハットで少しだけ話をしたジェームズと出会った。

彼はイギリスから来たようだ。歩くのが好きで、母国でもずっと歩いているし、他のロングトレイルも歩いたことがあるらしい。

仕事は庭のデザイナーで、最初は友人に頼まれて個人的にやっていたことが、そのまま仕事へと変わっていったらしい。

ちなみに、今は住んでいる家がないと言っていた。いろんなところを旅するのが好きなようだ。

彼は文章を書くのも好きなようで、このテアラロアの間も毎日、日記を書いている。人生のことについて文章を書くのも好きなようで、僕と同じだ。

一緒に歩いていたんだけど、彼が立ちどまった。そして、道に生えていた白い果物をつまみ、食べ始めた。

「これは、アルパインベリーという果物だよ」といわれ、僕も試しに食べてみた。

フルーティーな味がする。気分がリフレッシュできて美味しかったので、あたりを見まわしたあと、もう三つほど食べた。

そしてまた歩きながら話していたけど、僕が「ネイティブの英語は早くて聞き取れないことが多い」と伝えると、「僕も聞き取れないときがある」と返ってきた。

うん?

ザ・英語の国「イギリス」出身なのに?

どういうことなのか聞いてみると「西洋の国は、効率重視の社会になってしまっているから、ものすごく早口で喋る人がいるんだ」「だから僕でも、聞き取れないことがあるんだよ」と答えた。

「だから、僕はゆっくりと喋るようにしてるんだ」

そのあとは山頂で一緒にランチを食べた。そして僕は、先に出発した。

大きな岩だらけの上をゆっくりと歩く。ときどき足をのせた岩が、大きくグラつくことがあるので、ずっと気は抜けない。

下り坂も、岩がたくさんあったり、渇いた砂利に足をとられて、何度もこけた。

道が細くて、その横は崖になっている場所もたくさんあった。

歩くのに神経を使うので、途中にある河原に座って休憩する。

でも疲れはするけど、慎重に歩いたらそんなに危なくはない。いまのところは。

そして今日はハットの横にある、キャンプ場にテントを張った。

ベリーからのメッセージ

テントの中でご飯を食べていると、デート明けのベリーからメッセージが届いた。

「今日からまた歩き始めるよ。ハブロックからスタートするけど、いまはどの辺りにいる?」

ハブロックは、ここから5日かけてたどり着ける街だ。5日も差があるので、残念だけど、一緒に歩くことはもうないだろう…。

だけど僕もベリーも、自分の国へ帰るフライトが3月1日と、奇跡的に同じ日付だ。

3月1日にウェリントン空港で飛行機に乗るまで、僕もベリーも何日間かウェリントンに滞在することになるだろう。

「そのときに一緒にご飯を食べて、テアラロア達成を祝おう」と返信した。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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