【テアラロア Day39】第二波到来

もくじ

ケイロブのメッセージ

昨日、テントを張って中で休んでいると、一日後ろにいたルルーのお父さんジョースが「りゅうや!」と声をかけてくれた。

僕はハットの少し手前にテントを張っていたからだ。そしてジョースたちはハットに泊まった。

一夜明けて、体調はだいぶ良くなっていた。

朝の美しい空気を吸っていると、女性が一人歩いていた。

挨拶をして会話をすると、どうやらハットのトレイルノートに、ケイロブが僕に向けたメッセージを書いてくれていたことを伝えてくれた。

ハットのトイレを使うのと、メッセージを確かめるために、ハットまで500m歩く。

そして、見つけた。

Ryuya, if you see this, wishing you the best!

そのあとは、僕の体調が良さそうだったので、ジョースたちと話をして「今夜、次のハットで会おう!」と約束した。

そしてテントに戻り支度をして、出発をする。朝の10:00だった。

みんなはもう先を歩いている。

風邪の原因

歩きながら、今日は昨日より体調がいいぞと思っていた。

ただ、ものすごく喉が渇く。ものすごく頻繁に喉が渇く。

なんだこれは…と思い、考えていたら、この間の風邪の原因がわかった。

まず、いま喉が渇いているのは、一日三回飲んでいる薬の副作用のせいだ。

そして風邪をひいた前日に、足の水ぶくれの痛みを抑えるために痛み止めを2錠飲んでいた。

そしてあの夜は、近くに水場がなくて、700mlしか水がなかった。夜中に何度も喉が渇いて、身体が発熱して目を覚ましたけど、十分な水分がとれなかった。

そして翌朝、熱が出た。

ということは、あれは風邪じゃなかった。原因がわかっただけでもホッとする。薬を毎日飲んでいたけど、もうやめておこう。

そう思いながら歩いた。

ギブアップ

今日は険しい峠越えの日。厳しい日差しと、坂道、カラカラの喉が、一人ぼっちの僕の心を揺さぶる。

しんどい。

苦しい。

テアラロアを「ギブアップ」することが頭をよぎった。これで二回目だ。

熱は治ったのに、身体がいままでのように動かない。水ぶくれと腰のシコリのせいでもあるけど、それでも完全に馬力不足を感じていた。

そしてなにより、一緒に歩く仲間がいなくなったことが、僕には一番大きかった。

ちなみに、今朝、いつも使っている一眼レフカメラがついに壊れた。2015年のカメラを中古で買ったので、いつか壊れるときが来るだろうなとは思っていた。

テアラロアの39日目までもったので、よく頑張ったほうだと思う。だけど、そのことがずっと頭から離れなくて、気持ちを切り替えられなかった。

苦しいと思いながらなんとか、峠の山頂に着いた。

荷物をはぎ取り、地面に寝転がる。そして20分ほど休憩したあと、また歩き始める。

仲間がいないと、こんなに身体に力が入らないのかと、渇いた気持ちで歩いた。

フラフラしていたので、左足が草に隠れていた溝にハマり、その反動で右肘を岩に強打した。

もう無理だ。

休もう。

辺りを見渡すと、なんとかテントが張れそうな場所を見つけた。

完全なフラットじゃないけど、そんなことを言っている場合ではない。そして、坂の上の方に岩が転がっていたので、もしかしたらテントを直撃するかもしれないと思ったけど、他に場所がなかったので、張るしかない。

テントに入り横になる。

完全に参っていた。

足の水ぶくれに、なかなか治らない腰のシコリ、病み上がりの身体に、ガス欠気味のエネルギー。

なにがいけないんだ。

いままでの疲れが溜まっているのか、またタンパク質不足におちいっているのか、仲間がいないからなのか。

これらの問題を解決するのに必要なのは、休養だ。メスベンの街に着いたら二泊以上はして、ゆっくり身体を休めよう。

そうやってペースを落としていれば、また歩けるようになる。

淡々と毎日を過ごそう。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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