【テアラロア Day33】ビッグデー!考えごとをするのに十分な50km

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50kmウォーク!

今日は50kmを歩くビッグデー!

朝4:00に頑張って起きた。そして支度をしていると、結局出発は5:30になった。

まだ日の出ない涼しいうちに、たくさん歩きたい。

キャンプ場から出ると、朝焼けが見えた。

シャッターを何枚か切り、歩く。

そしてまた、歩く。

朝日がのぼってきた。

しばらく歩くと、運河に沿った道に出た。

養殖場から逃げてきたサケが、この運河を泳ぐらしく、五人ほど釣りをしてる人がいた。

昨日の湖も、この運河も、温泉の素を入れたみたいな綺麗なミルキーブルーだ。なんでこんな色なんだろう。

そして、ただひたすら歩く。

本当の世界

疲れが溜まっているのか、今日はときどき幻覚のようなものが見える。

疲れたときに、空中にキラキラ光るほこりが見えることは、多くの人が経験していると思う。

今日は、青空を見上げると流星群のような細い線が青空を一面に広がって、こっちに迫ってくるのが、何度も見えた。

一瞬、「疲れているな。見えてはいけないものが見えたな。疲れをとって、元の景色に戻らないと」と思ったけど、もしかしたらこの幻覚のような世界こそが実際のリアルな世界なのかもしれない。

疲れることで、本当の世界の姿を少し覗くことができたのかもしれない。

悲しみながら喜ぶ幸せ

そして、またひたすら歩く。

景色は綺麗だけど、ただ50kmを歩くには退屈すぎるので、音楽を聴きながら歩いた。

ずっと音楽を聴いていた。

いろんな歌手が出会いや別れを歌っている。

別れは、つらい。

本当はみんな、ものごとに対して、いつも無意識に終わりを自覚しているんだと思う。

幸せだと、楽しいと、嬉しいと感じるのは、そう感じる一瞬手前で、無意識にその終わりを自覚しているからだ。悲しくなったり、切なくなったりするのは、幸せだったり、嬉しかったりするからだ。

幸せを感じるのは、「生」に対して、その終わりに対して、無意識に悲しみを抱いているからだ。

大きな水ぶくれと再会する

そして、また歩き、テアラロア600km地点の「テカポ」の街に着いた。

50kmは長かった。後半は、脚がところどころ痛み始めた。そして、足の裏に新しい、大きな水ぶくれが、二つ誕生した。

そして、キャンプ場に到着した。

広大なキャンプ場なので、受付を済ませたあと、そこから更に500mほど歩かないといけなかった。

今日はとにかく歩いた。

テントの中で紅茶を飲んでいると、久しぶりの雨が降ってきた。テントの生地に雨音が弾ける。

疲れた身体に雨音が、沁みた。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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