【テアラロア Day28】記憶の宝箱

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今日は川の中を歩く日だ。

久しぶりに足が濡れることになる。

しばらく山を歩いたあと、川に出た。

川の流れる「ゴー」っという強い音の中を歩いたり、そのそばの陸地を歩いたりしながら進んだ。

川の音が、それ以外の音を消すから、歩くのに集中できる。

そうやって黙々と歩いていると、昔の記憶がどんどん掘り起こされる。

いい記憶ばかり浮かんでいた。

嫌な記憶も、いい側面ばかりが浮かぶ。懐かしさだとか、嫌な場面の中にもあった当たり前の有難さだとか。

ひとつづつ記憶を箱から取り出し、思い出しながら味わって、それをまた記憶の箱に戻す。その連続だった。

途中には、死んだ魚が転がっていたり、滝が流れていたりした。

ハットに着いたときには誰も人がおらず、僕とベリーだけだった。

二段ベットの二段目に自分の荷物をおいて、休んでいたら、そのあとから人がたくさんきた。

狭いハットの中で、みんなが会話を始めたけれど、僕は速い英語に一生懸命ついていくのを諦めて、ハットの外にある川のそばに一人で座った。

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著者

栃木県在住の35歳。

双極性障害二型(完解済み)・同性愛者。

34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越し、12年間続けた介助の仕事をやめて無職になる。精神安定剤代わりに始めた登山を、毎週続けているうちに、ニュージーランド1300kmのロングトレイルを歩くことができるようになった。フィリピン人の同性パートナーと一緒に生活をしながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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