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【テアラロア Day11】膝の裏が痛むので自分の身体と相談する

もくじ

疲れた身体

今日も雨が降っている。

ここ最近は雨の日が多い。そして、トレイルではいつも靴と足が濡れている。今日もこれから、濡れた靴下をはいて、濡れた靴をはかないといけない。

足には水ぶくれが9個ある。寝ている間に足は乾いたけど、またこれから濡れることになる。

水ぶくれが絶えない理由は、雨だけじゃなくてこの間の泥道のせいでもある。とにかく、いつも足が濡れている。

そして11日目にして、左膝の裏側に少し違和感を感じたので、入念にストレッチをする。

ここ最近はいつも長い距離を歩いていたので、今日は短い距離を歩くだけの休息日にしよう。

雨が降るテントの中で、傷んだ自分の身体をストレッチしていると「あぁ、もっと自分の身体をこうやっていたわりたいな」と自分の身体が愛おしく思えてくる。

NZで初めての1000m級

今日も僕は一番最後にキャンプ場を出た。

今日はニュージーランドに来て初めて1000m級の山を歩く。昨日は「どんな景色が見えるんだろう」と楽しみにしていたけど、一面真っ白の世界だった。

景色が見えないけど、霧のおかげで先が見えないから精神的にあまり疲れない。

霧がかった、ちょっと怖い雰囲気の山の中を、のんびり歩く。

山頂に着いて、山を降りると景色がガラッと変わった。

そして今日のハットに着いた。

テアラロアのハット(山小屋)

お馴染みのメンバーのうち、誰かいるかなと思ってハットに近づいたけど、誰もいなかった。

みんな次のハットまで歩いているみたいだ。でも、僕は膝が痛いのでここで休まなきゃ。ここから徐々に差が開いて「もう会えなくなるのかな」と少し思った。

ベリーとは今朝、「定期的に連絡をとって現在地を教え合おう」と話したところだった。

身体がロングトレイルに慣れたら、ペースを上げて「ベリーたちに追いつこう」と思い直した。

ちなみに、テアラロア上にあるハットは、ハットパスというものを買うと、ほとんど全て無料で泊まれる。

設備は必要最低限で、トイレと雨水のタンク、そして簡素なベッドが置いてある。

ちなみに、ハットにはインテンションブックという本が置いてある。(僕はトレイルノートと呼んでいる)

ハットに着くと、このノートに、到着した日にち、名前、出発する日にち、国籍、次に向かう場所、コメントなどを書く。

このノートの目的は、遭難者がでたときに場所を特定しやすくするためらしい。だから、ハットに着いたら、なるべく毎回書いたほうがいい。

そして、ノートに仲間の名前があったら、到着した日付をみることで、どれくらい先にいるかがなんとなくわかる。だから「あと3日間、少し早いペースで歩いたら、追いつくかな」とモチベーションにもなる。

ちなみに、旅の3日目に出会ったドイツ人は、「コメント欄にはそれぞれが色んなことを書いているから、そのコメントからどんな人か想像する。そして実際に出会ったときに答え合わせをするのが楽しい」

「中には、誰と誰が付き合い始めたとか、別れたとかが書いてあって、電波のない山奥での唯一の娯楽だ」

と言っていた。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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