「外国人のマナー違反」に腹を立てる前に知っておいてほしいこと

もくじ

「日本人」も「外国人」もお互い様

ニュースやネットで、「外国人のマナー違反」という言葉を目にすることがある。

そして、「マナー違反をする外国人」に腹を立てる前に知っておいてほしいことがあるので、そのことを伝えるために、この記事を書くことにした。

まず、最初に「日本でマナー違反をしてしまう外国人は、大体が悪気をもってしているわけではなく、単純に知らなくてやってしまうということ」を知ってほしい。そして次に「日本人も同じように、海外でマナー違反をしている」ということも頭に入れておいてほしい。

つまり、「お互い様」だということを、この記事で伝えたい。

よく「日本の常識は、世界の非常識」といわれるし、その逆の「世界の常識は、日本の非常識」ともいえる。

よく聞く言葉だけど、いまいち理解しにくい言葉かもしれない。というのも、日本と海外で「どのくらい文化が異なるのか」というのは、ある程度の期間を実際に海外で生活してみないと、実感できないからだ。

だから、今回は僕が実際に海外でやってしまったマナー違反を取り上げてみようと思う。

フィリピンでやってしまった

最初に、長期滞在した国が「フィリピン」だった。

フィリピンについてすぐに、僕はフィリピン人のパートナーと一緒に地元のレストランに向かった。そしてトイレに行きたくなったので、行くことにした。

そのときにパートナーがアドバイスをしてくれた。

「ここでは、トイレにトイレットペーパーを流したらダメだからね。トイレが詰まっちゃうから。隣にあるゴミ箱に入れるんだよ」と。

ふむふむ、なるほど、そうなのか、と納得し、トイレで用を済ませて、紙でお尻を拭いたあとだった。

僕は、今までの日本での習慣から、紙を便器に投げ込んでしまった。そして気が付いた。

「あっ、いけない。ここでは流したらいけないんだった」と便器の中の紙をつまみ、隣のゴミ箱に移した。

もし、フィリピン人であるパートナーからのアドバイスがなかったら、僕は100%紙を便器に流していた。もしかしたら、トイレを詰まらせていたかもしれない。

台湾でやってしまった

そして、次にいった国が「台湾」だった。

台湾の地下鉄では、飲食禁止だということは、あらかじめ調べていたので、知っていた。ちなみに、アメやガム、水でさえもダメだ。

気をつけているつもりだったんだけど、のどが渇いたので、地下鉄車内で僕は水をのんびりと飲んでしまった。

僕は無自覚で水を飲んでいた。日本での習慣から、当たり前のように水を飲んでいて、「ここでは飲食は一切禁止だというルール」を完全に忘れていた。

そして、隣に座っていたパートナーが、無言で僕を見て、首を横に振った。

そのときに、やっと、僕は「禁止されていることをやっている自分」に気が付いた。

ニュージーランドでやってしまった

その次は「ニュージーランド」だった。

僕にとっては、一人で行く初めての西洋の国だった。

ニュージーランドで知り合ったオーストラリア人の友人と一緒に、お店の軒下に立ちながら、お店で買ったスイーツとコーラを楽しんでいた。

僕たちが立っていた場所は、日陰で涼しかった。

そうやってのんびりしていると、自転車に乗った三人組がやってきた。見たところ、お店に入るために、自転車の置く場所を探している様子だった。

僕たちの立っていた場所が、自転車に置くのによさそうな場所だったので、僕は無言でその場所を移動して、日向の暑い場所に移動した。

すると三人組は焦った様子で「大丈夫、大丈夫!場所を空けなくてもいいから!ありがとうね」と僕に伝えて、他の場所を探しに行った。

そして、僕は「自分のやった行動はあまりいい行動ではなかったかどうか」を隣の友人に聞いてみた。

すると、「うん、よくないね」と返ってきた。

そして、その友人は「日本ではまず最初に周りのことを考えて、次に自分のことを考えるんだろうけど」「西洋の国では、まず第一に自分のことを考える。そして、その次に周りのことを考えるんだ」といった。

「だから、さっきの三人組は、君を日陰から日向に移動させてしまったと申し訳ない気持ちになってしまった」「ここでの気遣いはそういうことだよ」ということだった。

「礼儀正しすぎる行為に、僕たち西洋人はイライラしてしまうんだ」

友人の言葉を聞いて、「なるほど」と思った。

この場合は場所を譲らないというのが、西洋の国での礼儀だとわかった。

でも、ずっと日本で生活してきて、日本での習慣が染み付いているので、他のケースの場合は、どうふるまったらいいかがわからなくて、ずっと困惑していた。

僕はニュージーランドにお邪魔している立場だから、礼儀正しくしていようにも、この国では「なにが礼儀正しい行為なのか」わからない。

なにが「礼儀正しくて」「なにが無礼なのか」わからない。よくわからないから、とにかく礼儀正しくして、無難に過ごせばいいやと「礼儀正しさに逃げよう」と思っても、礼儀正しいと思ってやっていることが、無礼だということもある。

「どうしたらいいんだ」と困惑して、正直イライラしていた。

それくらい、国が違えば、絶対だと信じていた常識が違う。カルチャーショックだった。

その困惑している気持ちを伝えたら、「それもわかる。でも、大丈夫。相手は君が外国人だとわかっているから、我慢してくれるよ」と返ってきた。

他にも、バスに乗るときに、バスのドアの隣に「開閉」のボタンがあったから、「なるほど、ここではボタンを押すんだな」と思って押そうとしたら、運転手の人に「そのボタンは押さないでください。ドアは自動で開きますから」と優しく注意された。

他にも、たくさんあるのだけど、この辺にしておく。

他の日本人はどうなのか

ここまで書くと「いや、この三つのマナー違反は、あなたが単にアホだったからじゃないですか」といわれそうだから、他の例もあげようと思う。

これは有名な話だけど、日本人は海外でタクシーを使い、降車したあとに、ドアをちゃんと閉めない。それを見て、現地の人は「日本人はマナーがなってない」と思ってしまう。

この話を聞くと、日本人は「いやいや、違うんです!日本のタクシーは自動でドアが閉まるから、海外でもそうかと思って、閉めなかっただけなんです。わざとやっているわけじゃないんです」と弁解したくなると思う。

でも、これは、この記事の最初に書いた「日本でマナー違反をしてしまう外国人は、大体が悪気をもってしているわけではなく、単純に知らなくてやってしまう」ということと同じだと思う。

「ムッ」としたあとに

どの国の人も、それぞれの常識に縛られているので、常識外の行動をしている人に対して「ムッ」としてしまうことはあると思う。

(多民族国家では、そもそも、みんな違うというのが前提なので、あまり「常識」というものに固執しないのかもしれないし、日本では同質性が求められるので「常識」に固執する傾向は高いかもしれないけど)

だけど、ムッとしたあとに「日本人だって海外で同じことをしてるしなぁ」とか「単純に、知らなくてやってしまっているんだろうなぁ」という考えを挟んでみてはどうだろうか。

そうすれば、「日本人」も「外国人」も余計なストレスを抱えずに済む。

そして、もしできるのであれば、優しく日本のやり方を教えてあげられたら最高だと思う。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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