【求職日記 ♯4】文字起こしの仕事を見つけた

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前回、手紙を書く内職に応募した。

僕は書道を20年やっていたし、激安の内職だから「受かるだろう」と軽く思っていた。

でも、落ちた。

手紙を書く内職に落ちた。

応募したあとに、サンプルとして、指定された手書きの字を書いて、それを写真に撮って送らなければならなかった。

「どうせ、いかにもお手本ですというような文字がいいんでしょ」と、いつも書く字ではなく、ペン習字のお手本っぽい字を書いて送ると、「字はきれいなのですが、当社が求めるテイストと違うので、今回は見送らせていただきます」と返ってきた。

そうなのか…。そういうこともあるのか。

いつものラフな字でいけばよかったかなと思ったけど、1000文字書いて30円と激安の内職なので、「これでよかったのかもな」と思った。

ちなみに、二社目の英会話教室からも返信があり、動画面接を合格していたことがわかった。そして、最終試験は、英会話教室の講師陣を相手に、本番でやるような授業を披露するというものだった。

僕は一社目の英会話教室の面接のあとから自信喪失状態だったし、自分にはこの仕事は荷が重すぎると思っていたので、悲しいけど辞退のメールを送った。

そしてまた、スマホで仕事を探していると、よさそうな仕事を見つけた。

「文字起こし」の仕事だ。

会議やインタビューなどの音声に耳をすませ、PCで文字に起こしていく。給料単価は、1分につき100円くらいらしい。そして、完全在宅で、面接は無し。トライアルを受けて、その結果をもとに採用か不採用か決めるようだ。

「これなら僕にもできる!」と思い、さっそく応募した。

すぐに返事と、トライアル用の音声や説明書きなどが入った「トライアルセット」が送られてきた。

トライアルセットのなかにある説明書きを読んでいると、どうやら文字の表記の仕方にかなり厳しいルールがありそうだった。厳しいルールというか、正しい日本語の表記の仕方だ。

もし採用が決まったら、新聞記者が使う「記者ハンドブック 新聞用字用語集」というものを使って、正しい日本語で書かないといけないということだったけど、「まだトライアルなので買わなくても大丈夫です」ということだった。

だけど、絶対に受かりたかったので買った。

そして、文字を書くフォームはMicrosoft Officeの「Word」でないといけないようだった。僕は、Word のまがいもののアプリしか持っていなかったので、これも買った。先を見越して、「Excel」「Powerpoint」などがセットになっているやつを買った。31000円も払った。

そして、トライアルに取り掛かる。

音声を聞いて、文字を起こすだけなんだけど、これが意外と大変だった。

10分のトライアル音声を文字に起こして、納品状態に持っていくまで、結局4時間もかかってしまった。

ちなみに、文字起こしにはいろんな種類があるけれど、トライアルとして頼まれたものは「素起こし」と「ケバ取り」の二つだ。

素起こしは、聞こえたものをすべて文字化する。

「えーっと」「あぁ」「うーん」「あー」「まぁ」など、意味のなさそうな言葉も、とにかくすべて文字化する。でも、話のなかで相手が打つ相槌は省略してもいい。

音声をスローで再生しながら、何度も聞き直しながら、文字を拾っていく。

全部拾えているつもりでも、再確認すると「まぁ」とか「うー」とかいう言葉を見落としていたことに気が付く。意外と、見落とすのだ。だって、言葉自体に特別な意味がないから、音声を聞いていても、癖で、自然と聞き逃してしまう。

そして、ハキハキ喋ってくれる人ならいいけど、モゴモゴ喋る人だと、本当に聞き取りづらくて難しい。特に、言葉の終わりを濁すような喋り方をされると、わからない。素起こしの場合は、全部文字化しないといけないから、困る。もう、どうしてもわからない場合は、指定された記号と音声のタイムを記入して、諦める。

そしてケバ取りは、「えー」や「まあ」などの言葉を、ニュアンスを損なわない程度に、削ぎ落としていく作業だ。

トライアルでもらったケバ取りの音声は、何かの講演会だった。

発言者が多くて、ときどき一度に3,4人が喋るから「え、いま、なんて言った?」と笑いが出てくる。それでも、スローで何度も聞き直し、なんとか文字に起こしていく。

そして、文字の書き方にも厳密なルールがある。

これは「ひらかなで書かないといけないか、漢字で書かないといけないか」や、ここは「漢数字か、アラビア数字か」など、とにかくたくさんある。(でも、これは正しいライティングが学べる勉強だと思っているので、楽しい)

ちなみに、このブログの文章は正しいライティングができているかどうかというと、できていない。たくさん間違いがある。でも、僕のブログは僕のスタイルで書きたいので、それでいい。

そして、そんなこんなで10分の音声に、4時間もかかってしまった。

ちなみに最初は研修価格で一分40円だ。だから、一日8時間働いても、800円しか稼げないということになる。

ただ、技術を磨けば、もっとたくさんできるようになるし、単価も上げていくことができるので、しばらくはこの仕事に集中したい。

受かれば、の話だけど。

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著者

栃木県在住の35歳。

34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越し、ヘルパーの仕事をやめて無職になる。躁うつ病(完解済み)・同性愛・発達障害グレーゾーン当事者。趣味は登山で、ニュージーランド1300kmの歩き旅を終えたばかり。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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