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【ロングライド ♯2】瀬戸内海一周400kmを走るはじめての自転車旅

もくじ

2日目

翌朝、部屋に光が差し込み目が覚めました。

ホテルを出て高松に向かって走ります。昨日の雨が空気中のチリを洗い流し、綺麗な青空があらわれ、春風が僕を浮かれさせます。

ちなみに香川といえば、うどん!

早速、セルフのうどん屋さんで朝ご飯を食べます。

うんまい!!!

昨日の夜、悩んでいたからか、地下通路に差し込む光が印象的でした。

いい旅になる予感がしました。

独特なデザインの端に、個性的な形の球場。そして独立峰の讃岐富士。

香川県を走る「讃岐街道」は走りやすくて、ものすごく気持ちのいい道でした!

そして好調にペダルをこぎ続け、いつの間にか…

高松市まで来ていました!

自転車をとめて、日本一長いといわれる高松の商店街をウロウロします。

面白い雰囲気です。

商店街を歩いたあと、岡山に行くために港に向かいます。

高松港で船を待っている間、ウェットティッシュで自転車を拭いていたら、通りすがりのおじちゃんが「かっこいいバイクやな!」と、話しかけてくれました。

そして、乗船。

さよなら、四国

そしてしばらくして、岡山の宇野港に到着!

岡山は夕日の世界でした。優しい雰囲気の光のなかを走ります。

岡山から見た瀬戸内海はオレンジの砂に、穏やかな海。その色が印象的でした。

そして夜になりました。

初夏の夜の独特な空気を吸いながら漕いでいると、満たされた気持ちになります。児島こじまの工場のライトがものすごく鮮明に光っていて、とても綺麗で感動しました。その興奮を抑えきれず、下り坂を全速力で下りました。

そして、倉敷のホテルに到着。

シングルで予約をしていたのですが、「キャンセルが出たので、ツインのお部屋をご用意しました」とツインのお部屋へ。ラッキー!と両方のベッドに寝ころびます。

そして、寝ます。

3日目

この日も、朝ご飯はうどんです。

倉敷駅の近くにある、有名なぶっかけうどん屋さんにいきました。

倉敷うどん「ぶっかけ」ふるいち

そして、今日の目的地「尾道おのみち」に向かって走ります。

今日もいい天気です。

快調に自転車を走らせていました。

大きな川を越えます。

ですが川を越えたころ、突然、左ひざが痛みはじめました。

しばらく無視して走っていたのですが、痛くてペダルを漕げない状態にまでなってしまったので、立ちどまります。

「なんてこった…」

どうしよう、焦りました。ですが周りを見渡すと、ちょうど右横にスポーツショップ「ヒマラヤ」がありました!なんて良いタイミング!

「神様って、いるのかな…」と思いました。

店員さんに状態を話して、勧めてくれたサポーターを買います。

そして、そのサポーターを着けて自転車を漕いでみると、だいぶ痛みがマシになりました。

「続行できそう…!!!」

…ホッとしました。

ですが、今日はもうあまり漕がない方がいいので、次の街「福山」のホテルをすぐに予約しました。

人生初のカプセルホテルです。ですが、そのカプセルホテルが僕にとっては地獄の場所になるのでした…。

初めてのカプセルホテルに興奮しながら、室内を見渡したあと、晩ご飯を買いに、近くのスーパーに行きました。

スーパーのちょうど外に座る場所があったので、のんびり夕ご飯を食べていました。

「レストランで食べるんじゃなく、その辺のスーパーで半額の総菜を買って、外で食べるこの雑な感じが旅っぽくていいなぁ」と満足していました。

そして外が暗くなってきたので、ホテルに戻ります。

カプセルホテルということで、部屋は狭い。「秘密基地っぽくていいな」なんて思ってました。そして眠りにつきます。

…ものすごい悪夢で目が覚めました。

汗びっしょりでした。

さらに時計を見ると、一時間しか経っていませんでした。

呼吸を整えて、また寝ます。ですが、また強烈な悪夢を見て、汗びっしょりで起きます。これを、この夜は六回も繰り返しました。毎回時計を見るも、時間が全く進んでいませんでした。

そしてそのときに、自分が閉所恐怖症であることに気が付きました。

悲愴ひそうな面持ちでトイレやロビーをウロウロして、朝が来るのをずっと待っていました。最後の方は、寝ること自体が怖くなっていました。

そしてロビーに朝日が射しこんできたとき、心の中でガッツポーズをしました。

4日目

この日ほど、朝が来ることが嬉しい日はなかったと思います。

朝になり、さっそくホテルを飛び出します。

「今日も気持ちのよい天気!」

気が付けば、ひざの痛みも消えていました。体も心も絶好調でした。なにより旅を続けるにつれて、心が元気になっていくのを強く感じていました。

広島市まで100km…。広島って大きいんだなぁ。

そして、尾道に到着!

「しまなみ海道」へ渡る船がありました。なので、ここから行くことに。

こんな体験も初めてでした。そして…

しまなみ海道、初上陸です!

ここでは、島と橋を交互に走ります。

そしてここは、サイクリング用の青い線が道路に伸びているし、島はコンパクトなので、いちいちスマホを見なくても直感で進めます。

この直感で走れる気軽さに加えて、車が少なく、海や山の自然にふれながら走るので、とても爽快な気分で走れます。

さらに、この日は青空だったので、もう最高でした!

さらに、島と島をつなぐ橋がそれぞれ特徴を持っていて飽きません。

そして、それぞれの橋に特徴があるのと同様に、それぞれの島にも特徴があります。

狭い島だからこそ、それぞれの特徴が「自分のてのひらの上のモノ」のように把握できる感覚になり、満足した気分になれます。これが島サイクリングの良さだと思います。

井口島にあるアートなオブジェ

日が暮れて…

愛媛県今治いまばり市に到着です。

この日は地元のお好み焼き屋さんで、晩御飯を食べ、ホテルで寝ました。

最終日

家までの距離は、わずか50km。

のんびり走って、地元「松山」に突入です。すると、急に人恋しくなってきました。この5日間、身近な人と会わないという体験を人生で初めてしてきたので、その反動でした。

こんな気持ちが自分にあったのか、と驚きました。

印象的だったスポットBest3

  • しまなみ海道
  • 夜の児島の工場群
  • 讃岐街道

おわりに

この自転車旅は、本や動画で得るものとは違った、体感的な気付きを教えてくれました。

そして、社会生活で感じる制約を一切無視したこの旅の中で、なにかに対してトキメクような潤った心が自分のなかにもあると、初めて知りました。

自転車旅でトキメキという種を自分の心にまいておくと、そのあとの人生で、忙しくてストレスだらけの社会生活にまみれて「自分の人生はくすんでいる」と諦めていたとしても、その種がいつか、なにかの形で芽吹いてくるかもしれないですよ。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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