【テアラロア Day56】最後の試練

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臭い身体が気力を奪う

トレイルを再開してから、6日間、山の中にいる。

シャワーも洗濯機もなく、電波もない。毎日寝る前に、身体を拭いているし、髪も川で洗っているのだけど、それでも追い付かない。

臭い!

いろんなところの臭いを嗅いでみるけど、どこも臭い。身体が臭いと、本当にやる気とか、生きる気力のようなものがなくなる。想像以上に精神的ダメージが大きい。

でも、それも今日までだ。

なぜなら今日は、ボイルリバーセンターという「シャワー、洗濯機、Wi-Fi、ドミトリー、ピザ、コーラ」付きの宿に行くからだ!

予約をしていたとしても、早いもの順で宿が埋まるらしいので、今日は頑張って8:30に出発した。

最後の試練

トレイルを再開してから、日が経ったので、だいぶ歩けるようになってきた。

朝日の中を、反対方向から来るハイカーたちとすれ違い、挨拶しながら、歩いた。

ちなみに、反対方向から歩くハイカーはめちゃくちゃ多いのに対して、僕と同じ方向を歩く人は本当に少ない。

今朝、テント場で、ハットに泊まっていた二人組に声をかけてみたけど、彼らも僕とは反対方向に歩く人たちだった。

まぁ、いいや。

「この間まで、いろんな人たちと歩けたんだから、最後は自分の力で歩きなさい」と神様が最後の試練を与えてくれているんだと解釈した。

ギターを背負ったハイカー

今日は森の中を歩いたあとで、舗装路に出た。

この舗装路を10km歩けば、ボイルリバーセンターに着く。

歩いていると反対方向から来るハイカーが見えた。僕とは反対車線の路肩を歩いていたけど、僕を見て、僕と同じ側の路肩に移動してきた。おぉ、フレンドリーな人だな!

そしてお互いに、挨拶をする。想像どおり、笑顔で話しかけてくれるフレンドリーな人だった。

彼はアメリカから来たらしい。

背中にはザックと、アコースティックギターを背負っている!そして大自然の中で、ギターを弾いている動画を見せてくれた。とてもユニークで優しそうな雰囲気を持っている人だ。

「一体、ザックは何キロあるの?」と聞くと、「25kgくらいかな?」と返ってきた。重い…!!

そしてしばらく会話をしたあと、「会えてよかった、よいトレイルを!」と固い握手を交わして、お互いの方角へ進んだ。

いろんな人がいるんだなぁ…。

そしてひたすら舗装路を歩く。この日はなぜか、ザックが身体にフィットせず、肩が痛かった。「まだか、まだか」と歩き続け、ようやくボイルリバーセンターに到着した。

ボイルリバーセンター

13:30に到着した。

受付に行ってみると、テアラロアのトレイルを整備している人たちがいた。

「テアラロアはどう?トレイルに何か問題はない?」と聞かれたので「何も問題はないですよ!」と答える。元気でフレンドリーな人たちだった。

そして受付の人が現れたので、「食料ボックスの受取り、シャワー、洗濯機、Wi-Fi、ドミトリー、ピザ、コーラ、ガス缶、ゴミ捨て」のフルコースを注文する。

どうやらニュージーランドでは、いまは連休らしく、受付の人は忙しそうだった。ワナカから送っておいた食料のボックスを受け取ったあと、受付の人が部屋を掃除する間、外のベンチでコーラを飲む。

うまい!!!

うますぎたので、コーラをお代わりした。ちなみに、一杯500円のコーラだ。コーラ二本で、1000円だ。でも、なんとも感じない。物価の高いニュージーランドに来てから、あきらかに金銭感覚がおかしくなった。

日本に帰ったら、また戻さないと…。

そして、部屋の掃除が終わり、ドミトリーに案内された。中でシャワーを浴びて、洗濯をする。分厚いマットのベットに横になるのは最高だ。

身体も休まるけど、なにより気力が一番回復した。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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