【テアラロア Day42】ベル&ドネックのバンに乗ってクライストチャーチの病院へ

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メスベンの病院

42日目の朝を迎えた。

7:30にセットしていた目覚ましで身体を起こし、急ぎ気味で朝の支度をする。

そして、ベリーに「ホテルを出ること」をメッセージで伝えて、ホテルを出た。そのまま、ベル&ドネックのいるキャンプ場へ向かった。

通訳者・ベルと一緒に、そのままメスベンの病院へ向かう。

実は、腰のシコリがあり得ないほど腫れていたので、ベリーや他の人に「病院に行ったほうがいい」といわれていたし、自分でもそう思っていた。

なので、病院がオープンする8:30ちょうどに、院内に入った。

だけど、予約がないので、二日間待たないといけないということだった。すかさず、ベルが何かを受付の人に伝える。

するとクライストチャーチなら、予約なしで見てもらえる大きな病院があるということらしく、病院名と電話番号を書いた紙をもらった。

こうなることは予想できていたので、ドネックを含めた三人で、クライストチャーチのその病院へ行くことになった。

キャンプ場へ戻る途中に、ベリーとマヌーに出会った。二人はこれからシャトルバスでテアラロアの続きを歩き始める。

「また会おう!」といい、僕たちは車に乗り込んだ。

クライストチャーチの病院

そしてクライストチャーチの病院に着いた。

早速、中に入って受付を済ませる。看護師による簡単な質問や、血圧、血中の酸素濃度を計ったあとは、ドクターに呼ばれるまで待合室で待つ。

僕の前に14人待っていて、緊急度の高い患者がきたら、順番をとばして診ることになるので、遅くなるかもしれないと伝えられた。

そして5時間後、僕の名前が呼ばれた。

通訳者のベルと一緒に、診察室に入る。

ドクターにシコリを見せて、「いつできたか」などの細かな情報を伝える。そして横になり、指でシコリのいろんなところを軽く押されながら「痛いかどうか」を伝えた。

そして「感染しているから、切開して、中に溜まっているパスを取り除かないといけない」と言われた。

パスというのは、どうやら白血球の死骸のことらしい。「もし病院に来なければ、それが全身を巡って、最終的にはシコリが破裂していたかもしれない。テアラロアの大地のど真ん中で」ということだった。

切開!?そして…破裂。

衝撃的なワードが並び、怖さと焦りを超えて、笑いが出てくる。

そしてドクターの準備が整った。

まず、最初に注射器をシコリに刺し、中のパスを吸いとる。黄色くて白っぽい液体が出てきた。

それを見て確信したドクターは、次に麻酔の針を何箇所かシコリに打ち込む。ちなみにいうと、すごく痛かった。

針を打ち込む前にドクターが「嫌な痛みが走りますよ」といい、ベルが「彼はタフなので大丈夫です。ひどい水ぶくれを抱えながら、ここまで歩いていきたので」という。

「そうか、僕はタフなのか」と思い、耐えられそうな自信が湧いた。

針は痛かったけど、ここまでいろんな痛みを耐えながらテアラロアを歩いてきたので、耐えられた。

麻酔を打ったあとは、メスで切開をし、ドクターが中にあるパスを皮膚の両側から押し出し、取り除く。

麻酔のおかげで痛みはなかった。

そのあとは椅子に戻り、説明を聞く。

ちなみに、こうなった原因には心当たりがあった。ザックをずっと背負い続けていたせいで、腰紐のあたりにブツブツのできものができていた。そしてその状態で、川に飛び込んで泳いだときに、川の水から何かが感染したのではないかとドクターに伝えると、「そうだと思う」と返ってきた。

そしてどうやら、今回の件は事故として扱ってくれるようだ。そうすれば、医療費が減額されるらしい。

そのためにいくつかの情報が必要みたいなので、質問に答える。

今回の怪我が発生した住所を書かないといけない項目があって、ドクターが「大体どこら辺ですかね?」と聞く。僕はGoogleマップを開き、「大体、ここらへんです」と緑色の何もない山を指差す。

「あぁ、ラカイア・リバーの辺りね」とドクターがデスクのPCに戻る。

そして診察室を出た。

切開をしたので、二日後にまた病院に戻り診てもらうことになった。そして、しばらくはこのクライストチャーチで安静生活を始めることになる。

薬局で抗生物質をもらい、待ち疲れたドネックとベルと僕の三人で車に乗った。

「待たせてごめんね」というと、二人とも「全然!小さなことよ」といってくれる、ナイスガイだ。

そのあとは、16:00にタイ料理を三人で食べる。この日初めての食事だった。

スーパーにより食材を買い、三人でキャンプ場に到着した。

病院三昧の一日が終わった。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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