僕は、フィリピン人の同性パートナーと栃木県で生活をしている。
パートナーは私立の幼稚園で、英語の先生として働き、僕は現在無職だ。
だから、あまりお金がないので車を持っていない。だけど、それだとどこにもいけないので、レンタカーを借りて、二人で群馬県に行ってきた。
僕たちは、月に一回はレンタカーで旅行をすることにしている。
せっかくパートナーと、今、一緒に住んでいて、二人で日本に住んでいるんだ。どこかにいかないと!
いまは7月に入ったばかりだ。
だけど、もうすでに、ものすごく暑い。レンタカーで冷房をガンガンに効かせて、群馬県の高崎市まで下道をドライブする。
途中に、ホームセンターやスーパーがあれば、必ず立ち寄ることにしている。
ホームセンターでは「観葉植物が安くに売られていないか」、スーパーでは「安売りの商品がないか。見たことのない商品がないか」を探す。
パートナーはスーパーが大好きだ。
彼は料理が好きだし、食べることも好きだし、家事も好きなので、スーパーの商品を見ているだけで、一日を潰せるらしい。
僕も、そんなパートナーにつられて、スーパーでは新商品がないかどうかをチェックするようになった。
そして、群馬県高崎市についた。
駅前のコインパーキングに車をとめる。
大きなショッピングモールが駅を飲み込む形で、立っていた。
スマホの地図を見る限り、少し歩くと商店街のようなものがありそうだったので、さっそくそこに行ってみようと話しかけた。
だけどパートナーは「暑すぎる!熱射病で倒れるかもしれない。涼しくなるまで、ショッピングモールの中にいよう」と提案してきた。
「確かに…」
僕も日差しがきつくて、めちゃくちゃ暑いなと思っていたので、その意見に賛成した。
そしてショッピングモール内をウロウロする。
お金があったら、もっと面白いんだろうなぁと思いながら、商品を眺めていた。ただパートナーは、好奇心が旺盛なので、いろんな商品を見ながら「こんなものがあるんだ」と、どんどん新しいものを吸収していく。
そして、パートナーが筆ペンのコーナーを見つけた。
試し書き用の筆ペンと紙があり、パートナーが筆をとる。
ちなみに彼は日本語の話す・聞くはできるものの、読む・書くはあまりできない。だから、なにを書くんだろうとじっと見つめていると、新種の漢字がそこに誕生した。

そして時間が16時をまわった。
「そろそろいいんじゃない?」というと、「行こうか」と返ってきた。
そしてパートナーがひらめいて、ショッピングモール内のスーパーで、アイスの「クーリッシュ」を買おうといってきた。
彼は最近「クーリッシュ」にハマっている。
彼はよくいろんなものにハマる。
日本に来た当初は「みたらし団子」にハマっていたし「わらび餅」にもハマっていて、毎日買って、仕事から帰っていた。
ちなみにいまは、クーリッシュの他に、カルビーのお菓子「サッポロポテト」にものすごくハマっている。その影響で、僕もハマっている。
とにかくそんなわけで、クーリッシュを二つ買い、外に出た。
暑い…。
クーリッシュが救いだ。
だけど、すぐになくなった。
地図上で、栄えていそうな場所に行ったけど、シャッターだらけの商店街だった。
あんまり入りたくなるようなお店がなく、二人でさびれた商店街を歩く。
パートナーは旅行に行くなら、栄えた場所に行くのが好きだ。
だから、歩くたびになにもない景色を見て、彼が「なにもない」という。
定期的に聞こえてくる「なにもない」という声のあとに、僕が「もうちょっと歩いたらなにかあるかも!」という言葉を付け加えて励まし続けるということを繰り返していたけど、結局なにもなかった。
そしてそのまま、コインパーキングまで折り返す。
商店街は屋根があるので暑さがしのげるけど、屋根が終わると強烈な太陽が戻ってきた。
パートナーは灼熱の国「フィリピン」から来ている。
フィリピンの一部の地域は50℃を記録したりするらしい。そして一年中、夏だ。
そんな彼にとっても、日本の夏の暑さは厳しいらしい。やっぱり日本の夏は、湿度が加わるから、ものすごく熱く苦しく感じる。彼いわく、フィリピンのほうが暑さを感じないらしい。そして、僕も同感だった。
そんなこんなで、車に戻ってきた。
ハンドルが熱で触れないほど、熱くなっていた。
すぐにパワフルな冷房をまわす。
そのあとは、群馬県前橋市の商店街にも行ってみたけど、高崎市と同じように、さびれた感じだった。
そして、家までドライブをする。
特にこれといった場所に行ったわけではないけれど、いろんな気持ちを味わって、いい一日だったなと満足だった。
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