【求職日記 ♯10】勝ち取った就労継続支援B型

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前回の障がい福祉課の人の態度に傷ついたことで、新しいトラウマが誕生した。

このまま、就労継続支援B型でスキルを身につけるには、このあとも何度か障がい福祉課と連絡をとらないといけない。

そのことを想像しただけで「怖い、嫌だ、いやだ!」と感情の波が押し寄せてくる。だけど、だからといって、せっかく見つけた「3Dモデラー」という光明を逃すわけにはいかない。

やるしかない。

その前にまず、就労移行支援B型の体験通所というものがあった。

基本的に、この作業所での作業やスキルの習得はオンラインで行われる。だから、正式に通所すると決める前に、どんな流れや雰囲気なのかを体験させてくれる。

当日、朝10:00、PCでオンラインの部屋に入る。

20人くらいの人のアカウントが画面に並んでいた。僕を含めて、みんなマイクとカメラはオフにするように言われている。

そして、作業所の人が簡単な挨拶をしたあと、ラジオ体操が始まった。

画面にラジオ体操(キティーちゃん.Ver)が流れる。キティーちゃんのキンキンした声を聞きながら、僕もPCの前に立ち、画面に合わせてラジオ体操をする。

ちょっと、気恥ずかしかった。

そのあとは作業所の人が、それぞれの人の名前を呼び、それぞれの人のペースに合わせた「今日やる事務仕事」を伝えた。

そして体験通所の僕は、別室に移動し、作業所の人と一対一になった。

そして、3Dモデリングについて教えている、50分ほどの基礎動画を見る。「トイレは自由にいってください。暑いので水分補給にも気をつけてくださいね」「では、私はまた1時間後に戻りますね、なにかわからないことがあったらいつでも呼んで下さい」と言い残し、作業所の人は他の仕事を始めた。

ビデオ通話は繋げっぱなしだ。

そして1時間後、彼女は戻ってきた。

「わからないこと」などを聞いたあと、正式に通所したいことを伝え、その日の体験は終わった。

さぁ、ここからはやらないといけないことがある。

まずは、市役所に電話をして、「就労継続支援B型を通所するための申請の方法を聞いて下さい」ということだった。

その日は、もう夕方になっていたので、翌日、電話をすることにした。

翌日まで、胸がドキドキして、気持ちが休まらなかった。ドキドキしながら晩ごはんを食べて、ドキドキしながらベッドに入って、そして翌日、目が覚めて、ドキドキしていた。

「電話、かけないとな」と思いながら、かけられず30分が経過した。

「よし、かけよう!」と思い、スマホをとると、心臓のビートが一気にハイボルテージに達した。「やばい、この状態で電話をかけたら、逆に相手から嫌な態度を引き出してしまう」と思って、スマホを置き、フローリングに横たわった。

ひんやりしたフローリングの冷たさを背中で感じながら両手を心臓の上におき、深呼吸を繰り返す。

お酒をたくさん飲んで、電話をしようかなと思ったけど、なんだか自分に負けた気がするので、呼吸が落ち着いた頃、しらふのまま電話をかけた。

電話の相手は、普通にちゃんとした対応をしてくれる人だった。

電話は、姿が見えない分、言葉遣いで僕の印象が100%決まるから、ビジネス敬語をそれなりに多用して、とにかく丁寧に話し続けた。そして、知りたいことを教えてもらい、電話を切った。

「ふぅ…」

終わった!!!

とりあえず、第一関門を突破した!

ひとまずホッとしながらも、次は障がい福祉課に直接いかないといけないということで、次のことを考えて少し憂うつになっていた。

そして、こんな程度のことで、自分の全力を使い、一喜一憂する、自分の心の脆さに改めてがっかりした。

僕は典型的な、不安人間だ。

考えても仕方のない未来のことをずっと考え続けて、調子が悪くなる。考えても仕方のないことだと頭では理解していても、不安がとまらない。もう35年こんな自分で生きているので、そんな自分も、まぁ、仕方のないことだ。

このあと、しないといけないミッションは大きく二つある。

一つは障がい福祉課で申請をしたあと、障がい福祉課の相談員という人からの聞き取り調査に答えないといけない。そして、もう一つは、僕につくことになるケースワーカーと対面し、申請するために必要な「計画書」というものを一緒につくらないといけない。

そして市役所に向かった。

ちなみに、感受性を鈍くさせる頓服薬を2錠飲んで向かった。「自分に負ける」とか、そんなことより、極度の緊張状態になることに疲れたので飲むことにした。

障がい福祉課での対応は、普通に良かった。

そして、調査員の方はとても良かった。調査は、僕の病気のことなどを語らないといけないのだけど、丁寧に聞き、丁寧に話してくれた。

その後、ケースワーカーの方も自宅に訪問してくれ、僕の家族構成や、これまでの生育歴のようなもの、作業所を使うことで自分がどうなっていきたいかなどを話し、それを計画書にまとめてくれた。

ケースワーカーの方も、熱意のある方で、よかった。

こうして全ての手続が終わり、いまは申請の許可がおりるのを待っているところだ。

工賃が時給200円からのスタートになる就労継続支援B型だけど、スタートラインに立てるまで、いろんな面接を受けたり、試したりして、ここまで辿り着けた。

僕は何事にも一喜一憂してしまう性格だ。そして不安と安堵を繰り返しつづけて、得られたものが「時給200円の就労継続支援B型かよ」と一般的には思われるだろうけど、ここからスタートしていきたい。

ここで、いったん求職日記は終わるけど、このあとは「3Dモデラー日記」か「就労継続支援B型日記」を出すかもしれないので、そうなったら、また読んでもらいたい。

ここまで読んでくれて、ありがとうございました。

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著者

栃木県在住の35歳。

双極性障害二型(完解済み)・同性愛者。

34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越し、12年間続けた介助の仕事をやめて無職になる。精神安定剤代わりに始めた登山を、毎週続けているうちに、ニュージーランド1300kmのロングトレイルを歩くことができるようになった。フィリピン人の同性パートナーと一緒に生活をしながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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