【テアラロア Day67】リッチモンド山脈の核心部「リントール山」

今日はリッチモンド山脈の核心部「リントール山」を登る日だ。

いつもより早くに朝の支度を済ませたあと、少し歩いて、みんなが昨夜泊まっていたハットをのぞく。

ジェームズとエミリー以外は、もうすでに出発したあとだった。そしてこの二人もちょうど出発しようとしているところだった。

やはり今日は、リッチモンド山脈の一番ハードなところを歩くので、みんな出発が早い。

トイレで用を済ませて、僕も出発した。

しばらく歩くと、出発したばかりのジェームズ&エミリーと合流した。

急な坂道でも、誰かの後ろをついて歩くと、だいぶ楽だ。先頭を歩く人が一番しんどい。どんなことでもそうだなと、思う。

ちなみに僕はこのセクションの食料が微妙に足りていなかった。

二人から「リッチモンド山脈の日程」を聞かれたときに、「余分な食料があまりないから、一日にたくさん歩くビッグデーをつくらないといけない」も答えると、食料をわけてくれた。

助かった…。

リントール山は岩山だ。

登っていても、道が土ではなく、岩と石と砂利なので、とにかく足が滑るし、埋もれるし、うまく歩けない。

急な斜面なので、気を抜いて適当に歩くと、コケて山の斜面を転がり落ちそうだ。気が抜けない。

結局、このリントール山周辺の5kmを歩くのに、5時間もかかった。

ちなみに景色は、よかった。

振り返ると、地上の景色と海が見える。日に日に、山から見える海の景色が大きくなってゆく。

標高も1731mと高いので、雲が自分と同じ高さに浮かんでいたりする。自分と並行する雲を見ていると、テアラロアの初日を思い出す。

ニュージーランド行きの飛行機の中からみた雲も、こんなふうに自分の近くにあった。

あと少しで…。

ちなみにリントール山は下りも、急で怖かった。

そのあとは「リトル・リントール山」という1643mの山が待っていた。

どっちも、急斜面で歩きにくくて、大変だった。

そのあとも、ひたすら歩いた。

昨日、いろんな人にインタビューをしてみて、歩きながらいろいろ考えていたけど、日本に帰ったら調理師学校に通いたいなと思った。

このテアラロアでは、インスタントラーメンやパスタ、シリアルを毎日食べながら歩いている。

そして、いつも歩きながら、美味しい食べ物のことばかり考えている。日本に帰ったら、調理師学校に通うかどうかは別にして、いろんなレシピを習得して、たくさん美味しい料理を食べたい。

そんなことを考えながら、歩いた。

ちなみに今日は曇っていて、気温が低い。こんなハードな山を登るには最高の天候だと思っていたら、雨が降り始めた。

そして反対方向からすれ違った人から「このリッチモンド山脈を降りるときに、渡渉がたくさんあるから、増水しないうちに渡ってしまったほうがいいよ」とアドバイスをくれた。

もう、リッチモンド山脈の終わりが見えていた。だけど、その川を渡渉する場所までは、ここからまだ距離がある。

今日はもう疲れていたので、川のだいぶ手前の森でテントを張った。

雨がどんどん強くなっていくのが、テントの生地を叩く音でわかる。

もしかしたら明日は、川を渡れずに一日中ここで過ごさないといけないかもしれない。

ジェームズ&エミリーに食べ物をもらっていて、本当によかった。

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著者

栃木県在住の34歳。
34年間住んでいた愛媛県から、栃木県に引っ越したばかり。仕事もやめて、無職になる。同性愛者・躁うつ病患者(現在は寛解している)。趣味は登山。フィリピン人のパートナーと生活しながら、社会の壁を乗り越え、楽しい日々を送るため、人生をサバイバルしている。

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